少人数結婚式・家族婚の費用相場|1人あたりの負担と呼ばなかった人への配慮

少人数結婚式・家族婚の費用相場|1人あたりの負担と呼ばなかった人への配慮

少人数結婚式や家族婚を考える理由の多くは「費用を抑えたいから」です。家族婚は10人前後、少人数婚は20人から30人ほどを指すことが多い呼び方です。実際、総額は確かに下がります。

ただし1人あたりにかかる金額は上がります。会場費や装花、写真のように、人数が減っても同じだけかかる費用が残るためです。ここを知らずに進めると、「人数を減らしたのに思ったほど安くならなかった」という結果になります。

この記事では費用の構造から会場の選び方、招待範囲の決め方、そして呼ばなかった人への配慮までを整理します。少人数婚でいちばん後を引くのは、実は費用ではなくこの部分です。

総額は下がるが、1人あたりは上がる

まず数字で確認します。同じ調査の中で、招待人数ごとの平均を比べたものです。

招待人数と1人あたりの費用の違い 全国平均は招待52.0人で総額343万9,000円、1人あたり約6.6万円です。ゲストが20人から30人未満の場合は総額244万4,000円で、1人あたり約9.8万円になります。総額は約7割に下がりますが、1人あたりは約1.5倍に上がります。数字はゼクシィ結婚トレンド調査2024の全国推計値です。 招待人数で1人あたりの金額はどう変わるか 全国平均|52.0人 総額 343万9,000円 1人あたり 約6.6万円 20〜30人未満 総額 244万4,000円 1人あたり 約9.8万円 総額は約7割に下がるのに、1人あたりは約1.5倍になります ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)。1人あたりは中間の25人で計算
人数を減らせば総額は下がります。ただし1人あたりで見ると割高になるのが少人数婚の構造です。会場費や装花のように、人数に比例しない費用が残るためです。

費用は大きく2つに分かれます。人数に比例するものと、人数に関係なくかかるものです。

  • 比例するもの:料理、飲み物、引き出物、席次表。人数を減らせばそのまま下がります
  • 比例しないもの:会場費、高砂の装花、写真や映像、司会。20人でも50人でもほぼ同じです

装花で言えば、ゲストテーブルの卓数は減っても高砂は1か所のままです。そのぶん総額に占める割合が大きくなります。装花の内訳と削りどころは結婚式の会場装花はいくらかかる?にまとめました。

レストランの個室に置かれた長い一本のテーブル。白いクロスの上に白と緑の花とグラスが並び、両側に木の椅子が並んでいる。窓の外は庭
長テーブル1本にまとめると、高砂とゲスト席の区別がなくなります。新郎新婦が中央に座ると会話が全体に回ります。

家族婚・少人数婚の費用相場|人数別の目安

  • 20〜30人未満:総額の平均は244万4,000円。100万円台で挙げた人も3割近くいます
  • 30人前後:200万円から300万円の帯です
  • 挙式のみ:会食をしないなら10万円台から可能です。挙式スタイルによる違いは挙式スタイルの選び方を見てください

平均の幅が広いのは、同じ人数でも会場の格で総額が大きく変わるためです。ホテルの宴会場とレストランでは、同じ25人でも100万円以上の差が出ます。

調査によって数字が大きく違う点にも注意してください。式場系のメディアでは「10人なら70万円から、20人なら100万円から、30人なら150万円から」といった下限の目安を挙げているものもあります。上に挙げた金額は平均、こちらは最低ラインで、見ている場所が違います。自分たちの条件で見積もりを取るまでは、どちらも参考値だと考えてください。

ご祝儀は1人あたりが高くなる

費用の話には、入ってくるお金も入れて考えます。少人数婚は親族の割合が高くなるので、ご祝儀の単価は上がります。友人が3万円なのに対し、親族は3万円から8万円ほどが目安です。

ただし人数が少ないぶん総額は減るので、自己負担が同じ割合で下がるわけではありません。総額からご祝儀と親からの援助を引いて自己負担を出す方法は結婚式の費用は誰が出す?に、立場別のご祝儀の相場は結婚式のご祝儀はいくら包む?にまとめています。

POINT:式場のプラン表に載っている金額は、50人や60人を前提にした一式料金であることが多いものです。少人数で検討しているなら、その人数での見積もりを出してもらってください。人数を減らしても下がらない項目がどれかが、そこで初めて見えます。

少人数だからできること、難しくなること

できるようになること

  • 一人ひとりと話せる:披露宴が2時間半で20人なら、単純計算で1人あたり7分以上取れます。50人だと3分を切ります
  • 料理のグレードを上げやすい:人数が少ないぶん、1人あたりの単価を上げても総額への影響が小さく収まります
  • 会場の選択肢が広がる:レストランや料亭など、大人数では入れない場所を選べます

難しくなること

  • 余興が成立しにくい:人数が少ないと、頼める相手も見ている人も限られます。無理に入れないほうが自然です
  • 盛り上がりを演出で作れない:大人数向けの演出はそのまま持ち込めません。歓談と食事に時間を振るほうが向いています
  • 間が持たない時間ができる:親族だけだと、両家が初対面のまま黙って食事をする時間が生まれることがあります

最後の点は、親族紹介を丁寧にやると解消します。誰が誰か分かっていれば話しかけられます。進め方は結婚式での親の役割にまとめました。

演出を入れるなら、見せるものではなくゲストが参加するものを選びます。全員が関われる規模だからこそ成立する形です。

  • リングリレー:リボンに通した指輪を全員の手で新郎新婦まで送ります。人数が少ないほど一人ひとりの出番が明確になります
  • フラワーシャワーやフラワービュッフェ:ゲスト全員が手を動かす場面を作れます
  • ゲストによる乾杯の発声:主賓を立てない少人数なら、親族の年長者に頼む形が自然です

司会を立てるかどうか

人数によって答えが変わります。目安はこうです。

  • 10人前後:司会なしでも進みます。新郎が挨拶と乾杯の合図を出せば足ります
  • 20人前後:どちらもあります。進行に演出を入れるなら立てたほうが流れます
  • 30人前後:立てるケースが多くなります。全員に声が届かなくなる規模です

司会は人数に比例しない費用の代表です。10人でも50人でも料金はほぼ同じなので、少人数ほど1人あたりの負担が重くなります。省くなら、進行表を作って新郎新婦のどちらかが進めてください。

席の配置で雰囲気が変わる

少人数では、高砂とゲスト席を分けない形が選べます。ここが大人数の披露宴といちばん違うところです。

  • 長テーブル1本:全員が同じテーブルに着きます。新郎新婦も端ではなく中央に座ると、会話が全体に回ります
  • 円卓を1つか2つ:向かい合って話しやすくなります。両家が混ざる配席にすると距離が縮まります
  • 高砂を残す:写真の見栄えは良くなりますが、二人だけが離れて座ることになります

高砂を作らない形にすると装花の考え方も変わります。上座と下座の基本は結婚式の席次の決め方にまとめました。年配の親族がいるなら、席次の作法は少人数でも守っておくほうが無難です。

個室で長いテーブルを囲んで座る礼装の人たち。全員が後ろ姿と横向きで顔ははっきり写っていない。テーブルには料理とグラス、白い花が置かれている
20人なら1人あたり7分以上話せます。演出を詰め込むより、歓談と食事に時間を振るほうが向いています。

招待範囲をどこで切るか|家族のみか、親族までか

少人数婚でいちばん悩むのがここです。線の引き方には3つのパターンがあります。

  • 家族のみ:両親と兄弟姉妹まで。10人前後になります。これが家族婚と呼ばれる形です
  • 親族まで:祖父母、おじ・おばを含めて20人から30人
  • 親族と親しい友人:友人を数人だけ呼ぶ形。線引きがいちばん難しくなります

友人を数人だけ呼ぶ場合、「なぜあの人は呼ばれて自分は呼ばれないのか」が見えやすくなります。同じグループの中から一部だけを呼ぶのは避け、グループ単位で判断するほうが角が立ちません。

両家で人数をそろえる必要もありません。招待客の決め方は結婚式はどこまで呼ぶ?に書きました。

呼ばなかった人への配慮

少人数婚で後を引くのは、費用より呼べなかった相手との関係です。ここだけは事前に方針を決めておいてください。

報告のタイミング

式に呼ばない相手への結婚報告は、式のあとで構いません。ただし例外があります。

  • 共通の友人がいる場合:ほかの人から先に伝わると角が立ちます。式の前に自分から伝えてください
  • 自分の式に呼んでくれた相手:呼ばない理由を添えて、早めに伝えるほうが誠実です

伝え方は相手との距離で選びます。親しい相手には直接か電話、疎遠な相手にはメッセージや年賀状でも構いません。「家族だけで挙げた」と一言添えると、呼ばれなかった理由が伝わります。

お祝いをもらったら返す

報告すると、「お祝いしたかった」と言ってお祝いを贈ってくれる人が出てきます。少人数婚では珍しくありません。

受け取ったら内祝いを返します。目安はいただいた額の3分の1から半額で、時期は受け取ってから1か月以内です。お返しの選び方と時期は結婚内祝いのマナーガイドに、相手が贈る側でどう金額を決めているかは結婚式に出席しないときの結婚祝いにまとめました。

後日、友人だけで会費制の食事会や二次会を開く方法もあります。式は家族だけにして、友人とは別の場を持つ形です。会費の考え方は二次会の会費とご祝儀を見てください。

窓辺の木の机で、写真を添えたはがきにペンで書き込む手元。湯呑みが置かれている。文字は読み取れない
呼ばなかった相手への報告は式のあとで構いません。ただし共通の友人がいるなら、式の前に自分から伝えてください。

会場の選び方

  • レストラン:料理の質で選べます。貸切にできるか、専用の個室があるかを確認してください
  • 料亭や日本料理店:親族中心なら落ち着きます。座敷か椅子席かは年配の親族に合わせて選びます
  • ホテルの小宴会場:設備が整っていて、遠方の親族が宿泊できるのが利点です
  • 専門式場の少人数プラン:挙式から会食まで一か所で完結します

遠方の親族が多いなら、宿泊とセットで考えられる会場が有利です。ホテルなら割引のある宿泊プランを用意していることがあり、送迎や着替えの場所も同じ建物で済みます。少人数婚は親族の割合が高くなるぶん、遠方から来る人の比率も上がります。

確認しておきたいのは貸切になるかどうかです。ほかの客がいる店で会食をすると、挨拶や乾杯の声量に気を遣うことになります。少人数向けをうたっていても、貸切は別料金という会場があります。

よくある質問

Q. 家族だけなら披露宴は必要ですか?

必須ではありません。挙式のあとに会食をするだけの形が主流です。進行を入れずに食事だけにすることもできます。ただし遠方から来てもらう場合は、移動に見合う時間を用意するほうが親切です。

Q. ご祝儀を辞退することはできますか?

できます。ただし事前にはっきり伝えておかないと、当日持参されます。招待の連絡のときに「お祝いは気持ちだけで」と伝えてください。それでも渡そうとする親族はいるので、受け取ったぶんは内祝いで返します。

Q. 会費制にしてもいいですか?

問題ありません。会費制にするなら、招待状に「会費制」と明記してください。書いていないとご祝儀を用意されます。金額の目安は1万円から1万5,000円ほどです。

Q. 少人数だと服装は軽くしていいですか?

人数と格は関係ありません。会場の格に合わせます。レストランでの会食なら少し崩せますが、ホテルや専門式場ならきちんとした装いになります。親族の立場ごとの基準は結婚式の親族の服装にまとめました。

Q. 引き出物やプチギフトは用意しますか?

親族が中心でも、引き出物は用意するのが一般的です。人数が少ないぶん単価を上げやすいので、内容で選べます。お見送りで渡すプチギフトは結婚式のプチギフトにまとめました。

まとめ

  • 20〜30人未満の総額は平均244万4,000円。全国平均343万9,000円より下がる
  • ただし1人あたりは約6.6万円から約9.8万円へ、1.5倍に上がる
  • 会場費、高砂の装花、写真、司会は人数が減っても下がらない
  • プラン表の金額は50人前提のことが多い。その人数での見積もりを出してもらう
  • 余興は無理に入れず、歓談と食事に時間を振る
  • 友人を数人だけ呼ぶなら、グループ単位で判断する
  • 呼ばなかった相手への報告は式後でよい。共通の友人がいるなら式の前に
  • お祝いをもらったら内祝いを返す。3分の1から半額を1か月以内に