ブライダルエステは花嫁のもの、と思われています。新郎向けの情報はほとんど見かけません。
ところが実測を見ると、違う形が出てきます。ブライダルエステにかけた金額の平均は、夫側7.6万円、妻側5.8万円。夫のほうが1.8万円高いのです。一方で「結婚準備の美容ケアを何も行っていない」は夫側42.1%、妻側18.7%でした。やらない人は多いのに、やる人の金額は高い。
数字はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025(トレンド編)から、美容ケアのメニューは817人の複数回答、ブライダルエステの金額はエステを行った人のうち金額を答えた人(夫側259人・妻側380人)の結果です。合算・比率・年月への換算など、報告書に載っていない計算を当サイトで行った場合は、その都度ことわりを入れています。
結婚式前の美容ケア|何もしない人は夫側42.1%、妻側18.7%
まず、何かしらやっているかどうかです。22項目のうち「結婚準備における美容ケアは何も行っていない」を選んだ人の割合を見ます。
- 夫側:何も行っていない42.1%(裏返すと57.9%が何かしらやっている)
- 妻側:何も行っていない18.7%(裏返すと81.3%が何かしらやっている)
この引き算は当サイトによる計算です。そのうえで見ると、新郎の6割近くが何かしら手を入れていることになります。何もしないほうが多数派、という前提にはなっていません。
項目別に並べます。妻側の高い順に、夫側の数字を添えました。
- フェイシャルケア:妻側37.7%/夫側18.2%
- シェービング(全身または一部):妻側31.8%/夫側17.5%
- 背中の美白・にきびケア:妻側23.1%/夫側9.9%
- ネイル:妻側21.9%/夫側2.6%
- お腹・ウエスト周りの引き締め:妻側20.2%/夫側9.7%
- 二の腕の美白ケア:妻側18.7%/夫側10.8%
- ヘアケア:妻側18.1%/夫側11.6%
- 小顔・フェイスライン:妻側18.0%/夫側6.7%
- デコルテの美白ケア:妻側17.7%/夫側10.4%
- まつげエクステ:妻側16.7%/夫側3.7%
- 脱毛:妻側16.4%/夫側7.6%
- 歯のホワイトニング:妻側11.3%/夫側8.1%
- ヘッドスパ:妻側10.7%/夫側8.5%
新郎の美容ケア1位はフェイシャル18.2%、2位シェービング17.5%
夫側だけを高い順に並べ直します。
- フェイシャルケア:18.2%
- シェービング(全身または一部):17.5%
- ヘアケア:11.6%
- 二の腕の美白ケア:10.8%
- デコルテの美白ケア:10.4%
- 背中の美白・にきびケア:9.9%
- お腹・ウエスト周りの引き締め:9.7%
- ヘッドスパ:8.5%
- 歯のホワイトニング:8.1%
- 脱毛:7.6%
20%を超えた項目はひとつもありません。いちばん多いフェイシャルケアでも5人に1人以下です。ただし22項目のうち、夫側で1割を超えたものが5つあります。ひとつに集中しているのではなく、ばらけています。
そのフェイシャルケアを年齢で開くと、きれいに右上がりになります。24歳以下8.0%、25歳から29歳12.1%、30歳から34歳18.5%、35歳から39歳21.7%、40歳以上23.2%。上の層ほど顔に手を入れています。
設問の選択肢は夫側も妻側も同じです。だから夫側にも「バストケア4.6%」「まつげエクステ3.7%」「ネイル2.6%」が並びます。数字としてはそのまま報告されていますが、少数なのでここは幅を見ておく必要があります。この記事では、夫側で1割前後まで出ている項目を中心に扱います。

結婚式に向けた美容で、男女差が小さいのはヘッドスパと歯のホワイトニング
妻側から夫側を引いた差を並べると、項目によってまったく違います。この引き算は当サイトによる計算です。
- 差が小さい:ヘッドスパ2.2ポイント/バストケア2.5ポイント/歯のホワイトニング3.2ポイント
- 差が大きい:フェイシャルケア19.5ポイント/ネイル19.3ポイント/シェービング14.3ポイント
差がいちばん小さいのはヘッドスパで、妻側10.7%に対し夫側8.5%。次が歯のホワイトニングで、妻側11.3%に対し夫側8.1%です。どちらも「花嫁向け」という色がついていない項目でした。
新郎が何かやるなら、ここから探すのが自然です。フェイシャルケアやシェービングは妻側の半分以下ですが、歯のホワイトニングとヘッドスパはすでに夫側でも1割近くが選んでいます。しかも写真に写るのは顔です。ただし、この調査は理由を聞いていません。
新郎側の準備全体は花婿の身だしなみ・タキシード選びガイドにまとめました。衣裳の選び方と、準備のスケジュールを書いています。
ブライダルエステの平均は夫7.6万円・妻5.8万円|逆転している
ここがいちばん意外なところです。実際にエステへ払った金額を見ます。エステを行った人のうち、金額を答えた人だけが母数です。
- 夫側:平均7.6万円(259人)
- 妻側:平均5.8万円(380人)
分布を開くと、理由が見えます。
- 1万円未満(0円を含む):夫側67.5%/妻側58.4%
- 2万円から4万円未満:夫側4.1%/妻側8.5%
- 4万円から6万円未満:夫側3.2%/妻側7.9%
- 10万円から12万円未満:夫側5.7%/妻側4.4%
- 26万円以上:夫側12.3%/妻側6.6%
夫側は1万円未満が67.5%で妻側より9.1ポイント多い。それなのに26万円以上も12.3%いて、妻側6.6%の1.9倍です。真ん中がすかすかで、両端に寄っています。この二極化が、平均を押し上げていました。
挙式と披露宴をどちらも実施した人に絞ると、差はもっと開きます。夫側10.3万円(135人)に対して妻側7.4万円(216人)で、2.9万円差でした。
母数の定義には注意してください。この金額は「ブライダルエステを行った人のうち、金額を答えた人」の平均です。「1万円未満」には0円と答えた人も含まれます。そして夫側259人と妻側380人で、答えた人数も違います。全員の平均ではありません。
エステの内容と回数の考え方はブライダルエステの選び方に、どこにお金をかけるかは花嫁美容にかけるお金、どこで差がつく?にまとめています。

結婚式のスタイルでも金額が動く|披露宴だけなら妻のほうが高い
同じ表に、実施したスタイル別の平均もあります。
- 挙式と披露宴をどちらも実施:夫側10.3万円(135人)/妻側7.4万円(216人)
- 食事会だけを実施:夫側8.8万円(40人)/妻側4.4万円(40人)
- 挙式だけを実施:夫側3.6万円(59人)/妻側3.4万円(99人)
- 披露宴だけを実施:夫側0.9万円(24人)/妻側3.9万円(26人)
4つのうち3つで夫側が上回ります。ところが披露宴だけを実施した人では、妻側3.9万円が夫側0.9万円を上回って逆転しました。
ただし、この行は夫側24人・妻側26人しか答えていません。数字としては弱い行です。人数がそろっているのは、挙式と披露宴をどちらも実施した135人と216人の行です。ここでは夫側10.3万円と妻側7.4万円で、差は2.9万円。全体の1.8万円差より開いています。
なお、この金額は式場の見積もりには入りません。結婚式の見積もりはなぜ上がる?で扱ったのは会場に払う費用で、美容は別会計です。見積もりが予算内でも、ここは自分たちで積み上げることになります。
「平均5万8,000円」と書かれているのは、花嫁のほうだけ
ブライダルエステの相場を調べると、別の数字が出てきます。上位の記事を読んで確かめました。
大手の情報サイトは「平均5万8,000円」と書いていて、出どころはこの記事と同じ結婚マーケット調査2025でした。これは妻側の5.8万円のことです。同じ報告書に夫側の7.6万円も載っているのですが、そちらは紹介されていません。
もう1件、別の情報サイトは2018年7月に男性500人と女性500人へ聞いた調査を引いて、平均6.1万円、平均4.6回と書いています。男性にも聞いているのに、記事は花嫁向けだけで、新郎の数字は出てきません。
数字が無いのではなく、取り上げられていないだけでした。同じ報告書の隣のページに、夫側の表が並んでいます。新郎がいくら使っているのかを出している記事は、探した範囲では見当たりませんでした。
年齢での形が、夫と妻で逆になる
「何も行っていない」を年齢別に開くと、向きが逆でした。
- 夫側:24歳以下20.6%/25歳から29歳44.3%/30歳から34歳43.6%/35歳から39歳42.6%/40歳以上44.1%
- 妻側:24歳以下7.0%/25歳から29歳16.9%/30歳から34歳16.3%/35歳から39歳18.5%/40歳以上25.2%
夫側は24歳以下だけ20.6%で、残りの4つは42%から44%に固まっています。この層だけ8割近くが何かしらやっている計算になります。妻側は逆に、年齢が上がるほど何もしない人が増えて、40歳以上で25.2%でした。
ただし24歳以下は57人しか答えていません。幅を持って見てください。

結婚式に向けて新郎が何をやっておくか|この数字の使い方
数字を、やることの順番に落とします。
- まず、やらないことが多数派ではありません。夫側で何も行っていないのは42.1%。残りの57.9%は何かしらやっています
- 入りやすいのは歯のホワイトニングとヘッドスパ。妻側との差がそれぞれ3.2ポイントと2.2ポイントしかなく、夫側でも8%台が選んでいます
- 写真に写るのは顔と首から上です。フェイシャルケア18.2%とシェービング17.5%が夫側の1位と2位なのは、そこに理由がありそうです。花婿の身だしなみとあわせて考えてください
- 金額は0円でも成立します。夫側の67.5%は1万円未満(0円を含む)でした。26万円以上の12.3%に引っ張られた平均7.6万円を、目標額だと思わないでください
- 始める時期は花嫁側の進め方が参考になります。結婚式に向けた花嫁美容スケジュールに、いつ何をやるかを並べました
- 衣裳にかける額とは別に考えてください。ウェディングドレスは何着着る?のとおり、2着目の費用は1着目とほぼ同額です。美容とは動き方が違います
- 見た目にお金をかけること自体は、やる気につながります。結婚式をやる気にさせるもののとおり、「衣裳が魅力的」なら50.9%が実施したくなると答えていました
まとめ
- 結婚準備の美容ケアを「何も行っていない」のは夫側42.1%、妻側18.7%。裏返すと夫側の57.9%は何かしらやっています
- 夫側の1位はフェイシャルケア18.2%、2位はシェービング17.5%。20%を超えた項目はありません
- 男女差がいちばん小さいのはヘッドスパ(妻10.7%・夫8.5%)と歯のホワイトニング(妻11.3%・夫8.1%)でした
- ブライダルエステの平均は夫側7.6万円、妻側5.8万円で逆転します。1万円未満は夫側67.5%と多いのに、26万円以上も12.3%いるためです
- よく引用される「平均5万8,000円」は妻側の数字でした。同じ報告書に夫側の表も載っています
- スタイル別では挙式と披露宴をどちらもやった人が夫側10.3万円・妻側7.4万円で最高。披露宴だけの人では妻側3.9万円が夫側0.9万円を上回ります
- 数字はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】。美容ケアは817人の複数回答、エステの金額は夫側259人・妻側380人です
新郎の美容ケアは、やっている人が少ないから話題にならないのだと思っていました。数字を見ると、そうではありませんでした。取り上げられていないだけです。