式場を探しはじめる前に、決めておいたほうがいいことがあります。どの挙式スタイルで挙げるかです。
会場ごとに挙げられる形式は限られます。先に会場を押さえてから「やっぱり神社で」となると、探し直しになります。順番を間違えると手戻りが大きい部分です。
この記事では4つの形式の違いと、費用の数字が資料によってバラバラな理由、そして選ぶ順番を整理します。まずは実態の数字から見ていきます。
挙式スタイルの人気は?実際はどの形式が多いのか
挙式スタイルを調べると、たいてい「教会式が5割、人前式が3割弱、神前式が1割台、仏前式は0.5パーセント」という数字が出てきます。これはゼクシィ結婚トレンド調査の数字で、多くの記事が引用しています。
ところが、この調査の後継にあたる結婚マーケット調査2025を見ると、上の図のようにまったく違う姿になります。神前式が33.1パーセントで教会式に迫り、仏前式が10.2パーセントを占めています。
なぜここまで違うのか
母集団が違うためです。従来の調査はゼクシィの読者やネット会員が対象でした。2025年の調査は「結婚マーケット全体を反映した市場調査へ対象を拡大」したと明記されています。
つまり、結婚情報誌を読んで式場を探す層を見ると教会式が多数派で、そうでない人まで含めた全体を見ると和の挙式がぐっと増える、ということです。どちらかが誤りなのではなく、見ている範囲が違います。
注意点として、この2つは時系列で比べられません。対象者が変わっているので、「教会式が減った」という読み方はできません。
年齢でも分かれる
- 24歳以下:教会式46.1パーセント、神前式21.5パーセント。若いほど洋風に寄ります
- 40歳以上:神前式39.5パーセント、教会式35.6パーセント。ここでは神前式が最多です
POINT:周りの話と統計が食い違って感じるのは、自分がどの層にいるかで見える景色が違うためです。式場のパンフレットで見るのはチャペルばかりでも、実際には神社で挙げている人が同じくらいいます。雰囲気で決めつけず、自分たちが何を大事にしたいかで選んで構いません。
結婚式の種類は4つ。違いは「誰に誓うか」
形式の違いを一言でいうと、誰に向かって結婚を誓うかの違いです。ここが決まると、場所も衣装も自然に決まります。

教会式(キリスト教式)|神に誓う
- 場所:教会、または式場に併設されたチャペル
- 所要時間:20分から30分
- 衣装:ウエディングドレスとタキシード
- 参列:人数の制限は基本的にありません。友人も呼べます
流れは決まっています。新婦の入場、賛美歌、聖書朗読、誓約、指輪の交換、ベールアップと誓いのキス、結婚証明書への署名という順です。信者でなくても挙げられますが、街の教会で挙げる場合は信者であることや講習の受講を条件にするところもあります。式場のチャペルならその条件はありません。
ドレスの選び方はドレスの選び方完全ガイドにまとめています。

人前式|ゲストに誓う
- 場所:どこでも構いません。会場の庭、レストラン、海辺など
- 所要時間:20分から30分
- 衣装:ドレスでも和装でも自由です
- 参列:制限はありません
宗教を問わないので、決まった式次第がありません。誓いの言葉も自分たちで書きます。ゲストに承認の拍手をもらう、結婚証明書に全員の名前を書いてもらうといった参加型の演出ができるのが特徴です。
ただし自由さは決めることの多さと裏表です。進行を一から組むので、打ち合わせの手間は他の形式より増えます。

神前式(和婚)|神々の前で、家と家が結ばれる
- 場所:神社、または式場に併設された神殿
- 所要時間:30分前後。儀式の数が多いので長そうに見えますが、教会式とさほど変わりません。参進の儀や移動を含めると40分ほどになることもあります
- 衣装:新婦は白無垢や色打掛、引き振袖。新郎は紋付羽織袴
- 参列:神殿の広さで上限が決まります。30名から50名ほどの神社が多く、100名以上を受け入れるところもあります
流れには名前の付いた儀式が並びます。参進の儀(全員で神殿へ向かう行列)、修祓の儀、祝詞奏上、三献の儀(三三九度)、神楽奉納、誓詞奏上、玉串奉奠、そして親族盃の儀です。神楽奉納は神社によって有無が分かれます。親族盃の儀があることが、この形式の性格をよく表しています。二人だけでなく両家が結ばれる、という考え方が残っています。
昔は親族のみが基本でしたが、友人や知人の参列を受け入れる神社も増えています。実際に神前式を挙げた人のうち35.2パーセントが友人ゲストにも参列してもらったという調査があり、3組に1組を超えています。呼びたい人がいるなら、会場を決める前に聞いておきましょう。
和装のときの親族の装いは母親の服装にまとめています。
仏前式|先祖に誓う
- 場所:寺院。菩提寺で挙げるのが基本です
- 所要時間:30分から40分
- 衣装:白無垢と羽織袴が一般的。寺院によってはドレスも可
- 参列:家族と親族が中心です
どちらかがその宗派の信徒であることを前提にする寺院が多く、希望すれば誰でも挙げられるとは限りません。数珠を授かる念珠授与など、他にはない儀式があります。
やりたいことから逆に引く
形式から考えると迷います。やりたいことを1つ挙げて、そこから引くほうが早く決まります。
- ウエディングドレスを着たい/父親とバージンロードを歩きたい/賛美歌のなかで誓いたい → 教会式
- 白無垢を着たい/和の雰囲気で挙げたい/両家のつながりを大事にしたい → 神前式
- 宗教色を出したくない/進行を自分たちで作りたい/ゲストに参加してほしい → 人前式
- 菩提寺がある/先祖への報告として挙げたい → 仏前式
複数に当てはまったら、いちばん譲れないものを1つ選んでください。衣装は挙式と披露宴で着替えられるので、そこは判断の軸にしなくて構いません。
費用の相場|数字が資料ごとにバラバラな理由
挙式の費用を調べると、教会式について「10万円から20万円」「約30万円」「40万円から50万円」といった具合に、資料ごとに数字が大きく違います。これは何を含めて数えているかが違うためです。
- 挙式料だけ:会場の使用料と式を執り行う人への費用。もっとも小さい数字になります
- 挙式にかかる一式:ここに衣装、装花、写真などが加わります。数字が跳ね上がります
- 神社などへ納めるお金:挙式料と別に必要なことがあります
見積もりを比べるときは、金額の大小より何が入っていて何が入っていないかを先に確認してください。見積もりの見方は見積もりはなぜ上がるのかで詳しく解説しています。
神前式は初穂料が別のことがある
神社で挙げる場合、初穂料(玉串料)を納めます。相場は5万円から10万円で、格式の高い神社では15万円から20万円になることもあります。
ややこしいのは、これが挙式料に含まれる神社と、別に納める神社があることです。見積もりの数字だけを見て比べると、あとから増えます。必ず「初穂料は込みですか」と聞いてください。
あわせて、和装はドレスより衣装代が高くなる傾向があります。神前式が高く見えるのは、この2つが乗るためです。
結婚式全体でいくらかかるか
形式を問わない全体の数字も押さえておくと、予算の感覚がつかめます。結婚マーケット調査2025では次のようになっています。
- 挙式と披露宴の総額:平均298.6万円。最も多い価格帯は300万円から350万円
- 招待客1人あたり:平均7.3万円
- ご祝儀の総額:平均187.1万円
- 自己負担額:平均158.9万円
総額の数字だけを見ると身構えますが、ご祝儀で戻ってくる分があります。実際に払う額は自己負担額のほうです。

選ぶ順番を間違えない
よくある失敗が、会場を先に決めてしまうことです。ただし形式によって、会場の絞られ方がまったく違います。
ホテルや専門式場、ゲストハウスにはほとんどチャペルが備わっています。教会式なら会場探しで困ることはまずありません。人前式も場所を選ばないので同じです。
絞られるのは神前式と仏前式です。神殿を持つ会場か、神社そのもので挙げることになります。仏前式なら寺院です。ここを後から変えようとすると、会場探しがやり直しになります。
- 1. 和か洋か:ここが最初の分かれ道です。衣装の希望から考えると決めやすくなります
- 2. 誰に来てほしいか:友人にも挙式を見てほしいなら、参列に制限のある会場は外れます
- 3. 移動が発生するか:神社で挙げる場合、披露宴会場が別になることがあります。ゲストの移動手段と時間を見込んでおきます
- 4. そのうえで会場を探す:形式が決まっていれば、候補が絞れます
会場のタイプごとの特徴は会場タイプごとの特徴と選び方、探し方は結婚式場の選び方にまとめています。日取りの決め方は結婚式の日取りはどう決める?を見てください。
POINT:神社挙式で見落とされやすいのが移動です。挙式のあと、ゲストにバスや車で披露宴会場へ移動してもらうことになります。移動時間ぶん拘束時間が延びますし、遠方から来た人や年配の親族には負担になります。お車代の考え方は結婚式のお車代にまとめています。
よくある質問
Q. 信者でなくても教会式は挙げられますか?
式場に併設されたチャペルなら問題ありません。街の教会で挙げる場合は、信者であることや、事前の講習を受けることを条件にするところがあります。希望する教会に直接確認してください。
Q. 神前式に友人を呼べますか?
呼べる神社が増えています。ただし神殿の広さで人数が決まるので、参列できる人数には上限があります。「友人も入れますか」「何人まで入れますか」の2つを、会場を決める前に聞いてください。
Q. 挙式と披露宴で衣装を変えられますか?
変えられます。神前式で白無垢を着て、披露宴でドレスに着替えるという組み合わせはよくあります。ただしお色直しの回数だけ衣装代と時間がかかります。
Q. 挙式だけをして披露宴はしない、は可能ですか?
可能です。挙式のあとに家族との食事会だけを開く形も増えています。ゲストを招く規模の考え方は結婚式はどこまで呼ぶ?で解説しています。
Q. 迷ったらどれを選べばいいですか?
決められないときは人前式が無難です。宗教上の制約がなく、衣装も場所も選べます。ただし式次第を自分たちで組むぶん、打ち合わせの手間はかかります。
まとめ
- 結婚式の種類は4つ。違いは「誰に誓うか」で、そこから場所も衣装も式の流れも決まる
- 神に誓うのが教会式、ゲストが証人になるのが人前式、神々の前で両家が結ばれるのが神前式、先祖に誓うのが仏前式
- よく見る「教会式5割」はゼクシィ読者の調査の数字。市場全体を見た2025年の調査では教会式36.2パーセント、神前式33.1パーセント
- 年齢でも分かれる。24歳以下は教会式が多く、40歳以上では神前式が最多
- 費用の数字が資料ごとに違うのは、何を含めているかが違うため。金額より内訳を見る
- 神前式は初穂料が別のことがある。5万円から10万円が相場で、格式の高い神社ではさらに上がる
- 神前式は参列人数の上限がある。30名から50名の神社が多い。友人を呼びたいなら会場を決める前に確認する
- 会場を先に決めない。和か洋か、誰に来てほしいかを決めてから会場を探す