結婚式の準備は、やることの多さより「誰が決めるか」でこじれます。片方が抱え込んだ、気づいたら親が出てきた、相手が何も言わない。よく聞く話です。
これを数字で見た調査があります。リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】は、会場・衣装・料理・ゲスト・演出の5つの工程について、それぞれ誰がどう関わったかを聞いています。工程によって、はっきり順番があります。
二人で相談しあったのは6割前後|会場67.4%、演出59.9%
まず「あなたとお相手で相談しあった」を選んだ人の割合です。817人の回答(料理・飲み物のみ692人)、複数回答です。
- 会場:67.4%
- 料理・飲み物:62.7%(692人)
- ゲスト:61.0%
- 自分の衣装:61.0%
- 演出:59.9%
いちばん高いのが会場で、いちばん低いのが演出。その差は7.5ポイントです。会場は二人で見学に行くところから始まるので、当然といえば当然でしょう。
会場だけは、関わり方の中身も出ています。二人で会場を見学した・ブライダルフェアに参加した33.8%、二人で会場を決定した32.7%。結婚式場見学は何件行くべき?で書いたとおり、見学は一緒に回るのが前提になっています。
先に断っておきます。これは複数回答です。「相談しあった」を選ばなかった4割が、関与していないという意味ではありません。「二人で決定した」だけを選んだ人もいます。ここで見えるのは、工程どうしの順番です。

親が入るのは「場所・料理・人」。演出には入らない
同じ設問群に「親・親族に相談した」という選択肢があります。ここで、工程の性格がはっきり分かれます。
- 会場:12.1%
- 料理・飲み物:11.1%
- 衣装:11.1%
- ゲスト:10.0%
- 演出:5.3%
演出だけが半分以下です。会場・料理・衣装・ゲストは1割前後で並んでいるのに、演出は5.3%しかない。
親が口を出すのは「場所」「料理」「見た目」「呼ぶ人」までです。どれも格好がつくかどうかと、お金と、人間関係に関わるところ。中身をどう作るかには、ほとんど入ってきません。揉めるとしたらこの4つと考えておくと、身構えるところが絞れます。
お金の面から見ても同じ形です。結婚式の費用は誰が出す?のとおり、親からの援助を受けた人は65.9%います。出してもらう先は会場と料理なので、相談の対象がそこに寄るのは自然といえます。当日の役割については結婚式での親の役割にまとめました。

相談はする。でも「二人で決定した」は3割しかない
同じ設問群には「二人で決定した」という別の選択肢もあります。こちらを選んだ人の割合です。
- 会場:32.7%
- 料理・飲み物:30.6%
- ゲスト:29.8%
- 演出:28.9%
- 自分の衣装:28.5%
相談しあったは6割、二人で決定したは3割。同じ人が両方を選べる設問なので、相談した人のうち半分ほどしか「二人で決めた」とは答えていないことになります。
相談と決定は別の工程です。話は聞く。でも最後に決めるのは片方。「相談したのに勝手に決められた」という不満は、この差のところで起きます。
全工程で「自分が決めた」が「相手が決めた」を上回る
では誰が決めたのか。ここに、この調査でいちばん面白い形が出ています。左が「あなたが決定した」、右が「お相手が決定した」です。
- 会場:4.9%と4.5%
- 料理・飲み物:7.8%と5.5%
- ゲスト:7.4%と4.0%
- 演出:7.1%と4.9%
4つとも、自分のほうが多い。回答者には男女どちらも含まれているので、本来なら釣り合うはずの数字です。つまり両側が、自分のほうが決めたと思っています。
自分が動いた記憶は残り、相手が動いた記憶は残りません。「自分ばかり進めている」と感じているとき、相手も同じように感じている可能性が高いということになります。
年齢で倍近く違う|24歳以下は3割、40歳以上は7割
年齢別を開くと、もっと大きな差が出ます。「二人で相談しあった」の割合です。
- 会場:24歳以下37.2%、40歳以上73.1%
- 料理・飲み物:24歳以下38.6%、40歳以上69.6%
- ゲスト:24歳以下32.0%、40歳以上73.8%
- 自分の衣装:24歳以下30.5%、40歳以上66.1%
- 演出:24歳以下32.4%、40歳以上69.6%
5つの工程すべてで、24歳以下は3割台、40歳以上は7割前後。倍以上の開きがあります。
では24歳以下は誰が決めているのか。回答者本人です。「あなたがゲストを決定した」は全体7.4%に対し、24歳以下は22.6%で3倍。演出も16.2%でした。片方が決めて、もう片方が乗る形になっています。
そして親の関与も高く出ます。24歳以下の「親・親族に相談した」は、料理・飲み物で26.4%。全体11.1%の2倍以上です。ただしこの層は57人(料理は39人)しか答えていません。幅を持って見てください。
35歳から39歳だけ、親への相談が跳ね上がる
もう1つ、見落としやすい層があります。35歳から39歳(148人)です。
- 会場について親・親族に相談した:25.6%(全体12.1%)
- ゲストについて:18.3%(全体10.0%)
- 衣装について:13.3%(全体11.1%)
会場は全体の倍以上です。24歳以下と違い、この層は「二人で相談しあった」も71.1%と高い。二人でも話すし、親にも相談するという形になっています。招く側の年齢が上がるほど、親族の顔ぶれや職場の立場が複雑になるためと考えると筋が通ります。
唯一はっきり落ちるのは「相手の衣装」の29.0%
ここまで、どの工程も6割前後で並んでいました。1つだけ、大きく外れる数字があります。
- 自分の衣装について、二人で相談しあった:61.0%
- 相手の衣装について、二人で相談しあった:29.0%
半分以下です。衣装だけは、自分のぶんと相手のぶんが別々に聞かれています。自分の衣装は話し合うのに、相手の衣装は話し合われていません。
回答者には男女どちらも含まれるので「新郎の衣装が」と言い切れる数字ではありません。ただ花婿の身だしなみ・タキシード選びガイドで見たとおり、新郎は48.5%が1着で、1着目の平均も10万円。相手の衣装が話題になりにくいという形は、金額の側にも出ています。
準備の分担を決める順番|相談していないと、どこで効いてくるか
数字の意味を、準備の順番に落とします。
- 会場は二人で見学する。二人で見学した人が33.8%、二人で決定した人が32.7%。ここを片方に任せると、あとの全部が決まってしまいます
- 親に相談するなら、会場を決める前に。親が入るのは会場・料理・衣装・ゲストの4つです。決めたあとに出てくると巻き戻しになります
- ゲストは二人の案件として扱う。片方が決めた形はいちばん揉めます。24歳以下で22.6%あった「自分が決定した」は、あとから相手の親族の話が出てくる形です
- 相手の衣装を一度は一緒に見る。29.0%しか話し合われていない、いちばん抜けやすいところです
料理を二人で決めるなら試食の機会が要ります。ブライダルフェアの試食は必要?のとおり、39.0%は試食をせずに料理を決めていました。演出の中身については結婚式の映像演出はいくらかかる?も参考になります。打ち合わせそのものの進め方は結婚式のプランナーは当たり外れがある?にまとめました。

まとめ
- 「二人で相談しあった」はどの工程も6割前後。会場67.4%が最高、演出59.9%が最低
- 親が入るのは会場12.1%・料理11.1%・衣装11.1%・ゲスト10.0%。演出だけ5.3%。場所とお金と人には口が出るが、中身には出てこない
- 年齢で倍近く違う。24歳以下は3割台、40歳以上は7割前後。24歳以下は片方が決めている
- 35歳から39歳だけ、会場について親に相談した人が25.6%と全体の倍以上
- いちばん抜けるのは相手の衣装の29.0%。自分の衣装の半分以下
出典はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】です。いずれも複数回答で、対象は817人(料理・飲み物のみ692人)。年齢別の人数は24歳以下57人、25歳から29歳192人、30歳から34歳194人、35歳から39歳148人、40歳以上226人で、24歳以下は人数が少ない点に注意してください。