ご祝儀は結局いくら集まる?|平均161.7万円、3人に1人は100万円未満

ご祝儀は結局いくら集まる?|平均161.7万円、3人に1人は100万円未満

結婚式の見積もりを前にすると、必ずこの話になります。「ご祝儀が入るから、実際の持ち出しはもっと少ないはず」

その通りではあります。ただいくら集まるのかを、平均だけで見積もると外れます。リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】から、ご祝儀の総額を金額で答えた230人の分布と、結婚式にいくらかけた人が、いくら受け取ったのかのクロス集計まで開きます。

ご祝儀の総額は平均161.7万円|3人に1人は100万円未満

まず全体です。ご祝儀制を取り入れて披露宴や食事会を実施した人のうち、金額を答えた230人の結果です。

  • 50万円未満:16.4%
  • 50万円以上100万円未満:18.3%
  • 100万円以上150万円未満:16.4%
  • 150万円以上200万円未満:10.2%
  • 200万円以上300万円未満:21.5%
  • 300万円以上:17.2%
  • 平均:161.7万円

100万円に届かなかった人が34.7%います。3人に1人です。150万円未満まで広げると51.1%で、過半数になります。

平均161.7万円は、真ん中の人の金額ではありません。300万円以上を受け取った17.2%が全体を引き上げています。自分がどちら側になるかで、100万円以上ずれます

白いテーブルに重ねて置かれたご祝儀袋と、横に開かれたご祝儀帳と黒いペン
34.7%は100万円に届いていません。平均161.7万円は、真ん中の人の金額ではありません。

出回っている「224万3,000円」は7年前の別の調査

ご祝儀の総額を調べると、もっと大きい金額が出てきます。224万3,000円という数字です。

この数字の出どころはゼクシィ結婚トレンド調査2019でした。7年前の調査です。そしてこの数字を引用している記事は、結婚式費用354万9,000円から224万3,000円を引いて、自己負担は130万6,000円という計算をしています。平均どうしの引き算です。

ここに親からの援助の平均を足すと、自己負担なしどころか黒字になるという結論まで出てきます。ただ、この224万3,000円にはもう1つ問題があります

同じ調査の最新値は205.6万円まで下がっている

報告書を開くと、ご祝儀総額の平均は年ごとに載っています。

  • 2019年調査:224万3,000円(引用されているのはこれです)
  • 2021年調査:176万8,000円
  • 2023年調査:197万8,000円
  • 2024年調査:205万6,000円(最新)

2021年に大きく落ちて、まだ戻り切っていません。最新の205万6,000円は、引用されている224万3,000円より18万7,000円低い金額です。

205.6万円と161.7万円、44万円の差は母数の差

ここで疑問が出ます。同じリクルートの調査なのに、205万6,000円と161万7,000円で43万9,000円も違うのはなぜか。

誰を数えたかが違います。

  • 205万6,000円:ご祝儀制の披露宴を実施した人(結婚トレンド調査2024)
  • 161万7,000円:ご祝儀制を取り入れて披露宴または食事会を実施した人(結婚マーケット調査2025)

食事会だけの人が入るかどうかです。この記事の前半で見たとおり、食事会のみの人のご祝儀は平均94万7,000円でした。この層が母数に入れば、平均は下がります。

実際、結婚マーケット調査2025でも「挙式と披露宴をどちらも実施した人」だけを見れば180万1,000円で、ゼクシィの205万6,000円にぐっと近づきます。数字が食い違っているのではなく、違う人を数えているだけです。

自分がどちらの母数に入るのかを先に決めてください。披露宴をやるなら180万円台の側、食事会だけなら90万円台の側です。そのうえで、この計算で出た額を予算にすると危ない理由がもう1つあります。

結婚式にお金をかけても、ご祝儀は比例して増えない

同じ調査に、結婚式にかかった総額ごとに、ご祝儀の総額の平均を出した集計があります。これが答えです。

  • 総額100万円未満:ご祝儀は平均93.6万円(37人)
  • 総額100万円以上200万円未満:83.8万円(33人)
  • 総額200万円以上300万円未満:117.0万円(34人)
  • 総額300万円以上400万円未満:192.9万円(59人)
  • 総額400万円以上500万円未満:230.4万円(35人)
  • 総額500万円以上:243.5万円(23人)
結婚式の総額と、集まったご祝儀の平均 結婚式の総額が100万円未満の人はご祝儀が平均93.6万円で、かかった額をほぼまかなえています。100万円以上の層では、どの価格帯でもご祝儀は総額のおよそ半分にとどまり、総額が上がってもご祝儀は比例して増えません。 結婚式の総額と、集まったご祝儀の平均 薄い帯=結婚式の総額の目安 濃い帯=ご祝儀の平均 100万円未満 93.6万円 100〜200万円 83.8万円 200〜300万円 117.0万円 300〜400万円 192.9万円 400〜500万円 230.4万円 500万円以上 243.5万円 総額の目安は区間の真ん中。100万円未満は上限、500万円以上は下限で置いています 結婚マーケット調査2025【トレンド編】より作成
まかなえているのは、いちばん上の1本だけです。100万円を超えたところから、ご祝儀は総額のおよそ半分で止まります。

区間の真ん中で割ってみます。100万円台の人は約56%、200万円台は約47%、300万円台は約55%、400万円台は約51%500万円以上は、下限の500万円で見ても48.7%で半分に届きません

一方、総額100万円未満の層だけは違います。上限の100万円で見てもご祝儀は93.6万円。ほぼまかなえています

「盛大にすればご祝儀も増えるから何とかなる」は、成り立ちません。100万円台の人と400万円台の人を比べると、総額の差は300万円、ご祝儀の差は146.6万円総額を100万円増やして、返ってくるのは49万円ほどです。増やしたぶんの半分は、そのまま自分たちの持ち出しになります

開場前の披露宴会場の受付台。芳名帳とペン、脇に小さな装花が置かれている
総額を100万円増やして、返ってくるのは49万円ほど。残りはそのまま持ち出しになります。

この持ち出しをどう分担するかは、結婚式の費用は誰が出す?にまとめました。支払いの約7割は前払いなので、ご祝儀が入る前に用意が必要な点もあわせて見てください。

何をやったかで、集まる額はもっと変わる

実施した内容別の平均も出ています。

  • 挙式と披露宴をどちらも実施:平均180.1万円(161人)
  • 披露宴のみ:246.4万円(14人)
  • 食事会のみ:94.7万円(28人)
  • 挙式のみ:78.9万円(28人)

挙式のみだと78.9万円。挙式と披露宴を両方やった人の半分以下です。披露宴があるかどうかが、いちばん大きく効いています。ご祝儀は披露宴に招かれた人が持ってくるものだからです。

ただし披露宴のみの246.4万円は14人の平均です。食事会のみと挙式のみも28人ずつ。ここは幅を持って見てください。挙式だけにする、食事会だけにするという選び方は、結婚式をしない選択にまとめています。

なぜ比例しないのか|1人あたりの額は動かない

理由は単純です。ゲスト1人が包む額が、ほぼ決まっているからです。同じ調査の内訳を見ます。

  • 親族:平均4.8万円(171人)。45.9%が5万円以上10万円未満
  • 勤務先の上司:平均4.2万円(67人)。41.4%が5万円以上10万円未満
  • 勤務先の同僚:平均3.0万円(58人)。82.4%が3万円台

友人については、結婚式の料理の相場平均2万9,000円、80.1%が3万円台という数字を出しています。つまり友人と同僚は、ほぼ3万円で固定されています。

ゲストを10人増やせば、ご祝儀は30万円ほど増えます。けれど1人あたりにかかる費用は、それでは収まりません。料理と飲み物だけで1人1万9,800円。ここに引き出物、席次表、招待状が乗ります。

人数を増やしても、赤字は縮みません。ご祝儀が増えるスピードより、費用が増えるスピードのほうが速い。総額を上げる方向で回収しようとすると、必ず負けます

ゲスト側がいくら包むかの目安は、結婚式のご祝儀はいくら包む?にまとめています。包む側の相場が動かない以上、受け取る側が動かせるのは費用のほうだけです。

自己負担はいくら見ておくか|平均どうしの引き算は23万円ずれる

最後に、平均どうしの引き算がどれだけずれるのかを見ておきます。これは同じ報告書の中だけで確かめられます。結婚トレンド調査2024の全国値です。

  • 挙式・披露宴の総額:平均343万9,000円
  • ご祝儀総額:平均205万6,000円
  • 引き算すると:138万3,000円
  • ところが同じ報告書が出している自己負担額は:161万3,000円

23万円ずれます。報告書の自己負担額は、平均どうしを引いたものではありません。回答者ひとりずつについて総額からご祝儀を引き、それを平均した数字です。ひとりずつ計算するほうが、必ず高く出ます

平均どうしの引き算は、いちばん都合のいい数字が出る計算です。ご祝儀が多い人と費用が高い人は同じ人とはかぎらないのに、両方の平均を同じ1組のものとして扱っているからです。23万円の差は、その分だけ楽観に振れているということになります。

ダイニングテーブルで見積書と電卓を前に話している二人の後ろ姿
平均どうしの引き算は、23万円ぶん楽観に振れます。見積もりはひとりずつの実測で見てください。

見積もりを立てるときに使う順番

数字が出そろったので、使い方を並べます。

  1. ご祝儀は総額の半分と置く。100万円台から500万円以上まで、どの帯でもおよそ半分でした。平均161.7万円のほうを使うと外れます
  2. 披露宴をやるかどうかで、まず線を引く。挙式のみは78.9万円です
  3. 足りない分は前払いで用意する。ご祝儀が入るのは当日です
  4. それでも足りないなら、総額を下げる。人を増やす方向では埋まりません

総額を下げる話は結婚式の見積もりはなぜ上がる?に、そもそもいくら貯めているのかは結婚資金の貯金、していない人が32.7%にあります。会費制という選び方もあり、会費制の結婚式・1.5次会では7割が自己負担ゼロでした。

まとめ

  • ご祝儀の総額は平均161.7万円。ただし34.7%は100万円未満で、過半数は150万円未満
  • 出回っている224万3,000円は7年前の別の調査。平均どうしの引き算で予算を組むと危ない
  • 総額100万円未満の層だけ、ご祝儀でほぼまかなえている。それ以上はどの帯でもおよそ半分
  • 理由は1人あたりの額がほぼ固定だから。同僚は82.4%、友人は80.1%が3万円台
  • 見積もりではご祝儀を総額の半分と置く。人数を増やす方向では回収できません

出典はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】です。ご祝儀の総額はご祝儀制を取り入れて披露宴や食事会を実施した人のうち、金額を答えた230人が対象で、実施内容別・総額別の集計はそれぞれ母数が異なります。