結婚が決まると、新居を探して、家具と家電をそろえて、引っ越す。そういう前提で予算を組みます。調べると、新生活の初期費用としてまとまった金額が出てきます。
ところが実測を見ると、その前提に当てはまらない人のほうが多いという結果でした。リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【既婚編】、2024年4月から2025年3月に結婚した821人の回答です。
新居を用意しなかった人が57.6%、クルマも67.6%が買っていない
調査は「新婚生活を始めるにあたって、新しく購入・契約・実施したか」を項目ごとに聞いています。821人の全体です。
- 新居:した21.1%/する予定21.4%/しなかった57.6%
- 引っ越し:した38.4%/する予定23.6%/しなかった38.0%
- クルマ:した12.9%/する予定19.5%/しなかった67.6%
3つとも、いちばん多いのは「しなかった」でした。新居に至っては6割近くが新しく用意していないという結果でした。
「結婚したら新居に引っ越して、家具と家電をそろえる」は、思っているより少数派です。予定を含めても、新居を用意する人は42.5%にとどまります。

引っ越しは35歳から39歳がいちばん多い
引っ越しだけは年齢で動きます。「引っ越しをした」の割合です。
- 24歳以下:32.1%(142人)
- 25歳から29歳:37.1%(368人)
- 30歳から34歳:39.5%(166人)
- 35歳から39歳:49.4%(96人)
- 40歳以上:41.0%(49人)
35歳から39歳だけ、およそ半数が引っ越しています。24歳以下とは17.3ポイントの差です。ただしこの層は96人、40歳以上は49人しか答えていません。幅を持って見てください。
逆に24歳以下は「する予定」が35.9%と最も高い。若いほど、結婚のあとで動くという形になっています。
年齢が上がるほど、新居は用意しない
新居のほうも年齢別が出ています。「新しく購入・契約しなかった」の割合です。
- 24歳以下:48.8%(した23.5%/する予定27.7%)
- 25歳から29歳:59.7%(した22.0%/する予定18.3%)
- 30歳から34歳:55.6%(した19.7%/する予定24.6%)
- 35歳から39歳:64.5%(した16.8%/する予定18.7%)
- 40歳以上:59.3%(した20.5%/する予定20.2%)
5割を切るのは24歳以下だけです。そして35歳から39歳は64.5%と、新居の用意がいちばん少ない層でした。
ここで、さきほどの引っ越しと並べてみてください。35歳から39歳は、引っ越しは49.4%でいちばん多いのに、新居を用意しなかった人も64.5%でいちばん多い。どちらかの家に移る形が多い、と読むのが自然です。年齢が上がるほど、どちらかの住まいがすでにあるということになります。
なぜ動かないのか|76.4%はすでに同居している
理由は同じ調査の別の設問に出ています。821人のうち627人、76.4%がすでに二人で同居しています。つまり同棲から結婚へ進む形が多数派で、住まいはその時点で決まっています。
そして同居を始める前の状況も聞かれています(同居している627人)。
- 二人とも親と同居していた:28.6%
- 自分のみ親と同居していた:22.3%
- お相手のみ親と同居していた:15.2%
- 二人とも親とは同居していなかった:33.8%
どちらかが実家にいた人は66.1%。3人に2人です。実家を出るタイミングが同棲の開始とそろっているため、結婚のときには住まいの問題が片づいていることになります。
新生活の準備は、結婚の前に終わっている人が多い。だから結婚のタイミングでは動かない。「結婚したら新居」という順番は、もう標準ではありません。

初期費用は「どこから始めるか」で4倍ちがう
初期費用を「平均いくら」でとらえると外れます。ゼクシィが花嫁会のメンバー77人に聞いた集計(2023年10月)では、二人がどこから新生活を始めたかで分けています。
- 二人とも実家から:約79万8,000円
- 妻が一人暮らし、夫が実家から:約44万5,000円
- 妻が実家、夫が一人暮らしから:約147万5,000円
- 二人とも一人暮らしから:約193万5,000円
44万5,000円と193万5,000円で、4倍以上の開きがあります。「平均いくら」という1つの数字に意味がないのは、このためです。
意外なのは、実家から出るほうが安いことです。一人暮らし同士だと、2つの部屋を解約して1つ借りるぶん引っ越しも契約も倍になり、家具と家電も重複します。使える物が多いほど安く済む、とはかぎりません。
ここに、さきほどの実測を重ねます。同居している627人の内訳は二人とも実家28.6%/どちらか一方が実家37.5%/二人とも実家を出ていた33.8%でした。自分がどの列にいるかを先に決めれば、金額はおおよそ絞れます。
そのうえで、57.6%は新居を用意せず、38.0%は引っ越してもいません。そもそも初期費用が発生しない人が相当数いるということです。
この調査では、家具と保険の平均は出せません
結婚マーケット調査2025も、新生活の費用を項目別に聞いています。ただし金額を答えた人数がこれだけです。
- インテリア・家具:31人
- 生命保険・損害保険:17人
- 結婚内祝い:186人
31人と17人では、平均を相場として出せません。この記事でも金額は載せていません。数字がないことを、ないと書くほうが誠実だと考えています。比較的答えた人が多い結婚内祝いについては、結婚内祝い(結婚祝いのお返し)マナーガイドにまとめました。
新生活の準備はいつやる?住まいと結婚式の順番
実務の順番に落とします。
- いま住んでいるところを続けるかどうかを先に決める。57.6%は新居を用意していません。続けるなら、敷金・礼金と引っ越し費用がまるごと消えます
- 動くなら、結婚式の支払いと時期を重ねない。結婚式の支払いは約7割が前払いで、式の1か月前までに終わります
- 家具と家電は、足りないものだけ買う。どちらかが一人暮らしをしていたなら、そのまま使える物が残ります
- クルマは急がない。67.6%は買っていません
結婚式そのものにいくら用意しているかは結婚資金の貯金、していない人が32.7%に、誰がどう払うかは結婚式の費用は誰が出す?にまとめました。式をしないという選び方は結婚式をしない選択、新婚旅行の費用は新婚旅行に行かない人は24.2%、ご祝儀でどれだけ戻るかはご祝儀は結局いくら集まる?にまとめました。

まとめ
- 新居を用意しなかった人が57.6%、引っ越しもしていない人が38.0%、クルマを買っていない人が67.6%
- 理由は76.4%がすでに同居しているから。同居前にどちらかが実家だった人は66.1%
- 引っ越しは35歳から39歳が49.4%で最多。24歳以下は「する予定」が35.9%で、結婚のあとに動く
- 初期費用はどこから始めるかで44万5,000円から193万5,000円まで4倍以上ちがう。平均ではなく、自分の列で見る
出典はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【既婚編】です。対象は2024年4月から2025年3月に結婚した全国20歳から49歳の男女821人。同居に関する設問は、二人で同居している627人が対象です。年齢別の人数は24歳以下142人、25歳から29歳368人、30歳から34歳166人、35歳から39歳96人、40歳以上49人で、35歳以上は人数が少ない点に注意してください。合算・比率・年月への換算など、報告書にそのまま載っていない数値は当サイトによる計算です。