結納はするべき?|顔合わせとの違いと、しない場合の進め方

結納はするべき?|顔合わせとの違いと、しない場合の進め方

結納をするかどうかは、二人だけで決められません。親の意向が入るからです。「うちはやらないつもり」と決めたあとで親から言われて、そこから揉める例があります。

まず数字を押さえておきます。結納の実施率は26.5%です。減ったとはいえ、4組に1組はやっていることになります。「もう誰もやらない」ではありません。

結納は4組に1組、顔合わせは4組に3組

リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025(821人)から、結婚を機に行われたことの実施率を並べます。この調査でいう実施率には、すでに行った人に加えて、時期や内容がほぼ決まっている実施予定の人も含まれます

  • 両家の顔合わせ:74.2%
  • 結納:26.5%
  • 参考までに、挙式は48.9%、披露宴は43.1%

顔合わせが結納のおよそ3倍です。今の主流は顔合わせだと考えて差し支えありません。ただし26.5%という数字は、身近に経験者がいてもおかしくない水準です。

「若い人ほどやらない」わけではない

同じ調査を年齢別に見ると、思っていたのと違う形が出ます。

  • 24歳以下:33.2%
  • 25歳から29歳:24.4%
  • 30歳から34歳:23.2%
  • 35歳から39歳:25.8%
  • 40歳以上:35.9%

いちばん若い層と、いちばん上の層で高く、あいだが低いという形です。年齢が上がるほど減っていく、という単純な形にはなっていません。

ただし24歳以下は142人、40歳以上は49人と回答数が少ない層なので、幅を持って見てください。それでも「若いからやらない」と決めつけられないことは分かります。年齢より、家の考え方で決まると考えるほうが実態に近いはずです。

結納と顔合わせは何が違うのか

いちばん大きな違いは儀式かどうかです。

  • 目的:結納は婚約を正式なものにする儀式です。顔合わせは両家の親睦が目的です
  • 結納品と結納金:結納にはあります。顔合わせにはありません
  • 進行:結納には決まった式次第があります。顔合わせは食事をしながら話すだけです
  • 服装:結納は正礼装か準礼装。顔合わせはセミフォーマルで足ります

顔合わせの服装は両家顔合わせの服装に、手土産の扱いは両家顔合わせの手土産で解説しています。結納をする場合は、どちらも格が一段上がります

和室の座卓に並べられた結納品一式。白木の台の上に、金銀の水引で飾られた品が置かれ、紫の袱紗と和紙の目録らしき包みもある。奥は障子と畳。文字は読み取れない。人物は写っていない
結納品は9品・7品・5品と奇数でそろえるのが本来の形です。最近は3品ほどにまとめることも増えました。

正式結納と略式結納

結納と一口に言っても、2つの形があります。

正式結納

仲人が両家のあいだを行き来して、結納品と受書をやりとりします。両家は顔を合わせません

両家が離れていると仲人の負担が大きく、日数もかかります。いま選ぶ人はほとんどいません

略式結納

料亭やホテル、レストランに両家が集まって、その場でやりとりします。仲人は立てても立てなくても構いません。いま「結納をする」といえば、たいていこちらです。

当日の流れは決まっています。

  • 結納品を飾り付けて着席する
  • はじめの挨拶
  • 男性側から結納品を納める
  • 女性側が受書を渡す
  • 女性側から結納品を納める
  • 男性側が受書を渡す
  • 婚約記念品の披露
  • 締めの挨拶
  • 会食

婚約記念品というのは、たいてい婚約指輪のことです。この場で披露する形にすると、渡すタイミングに困りません。指輪の選び方は結婚指輪の選び方完全ガイドで、婚約指輪との違いも整理しています。

関東式と関西式で、お金の動きが違う

ここがこの記事でいちばん注意してほしい点です。同じ「結納」でも、地域によってお金の動きがまったく違います

関東式と関西式の結納金の動き 関東式では男性側から女性側へ結納金を渡し、女性側から男性側へ結納返しとして結納金の半額程度を返します。関西式では男性側から女性側へ結納金を渡すだけで、結納返しは基本的に行いません。両家の出身地が違うと、返すものだと思っている側と返さないものだと思っている側で食い違いが起きます。 結納金の動きは、地域でこれだけ違う 関東式 男性側 女性側 結納金 100万円前後 結納返し 半額程度 関西式 男性側 女性側 結納金 結納返しは 基本しません 両家の出身地が違うと、ここで食い違います 結納返しの目安は結納金の1割から5割とされ、地域と家によって幅があります
関東式はもらったら返す、関西式はもらったら返さないのが基本です。片方だけがそのつもりでいると、当日に話が食い違います。
  • 関東式:結納品は男性側と女性側の双方で贈り合います。結納返しは結納金の半額程度が目安です
  • 関西式:結納品は男性側から女性側へ贈ります。結納返しは基本的に行いません

結納返しの目安は結納金の1割から5割とされていて、幅があります。最近は当日にその場で交換する形が増えています。

両家の出身地が違うなら、どちらの式で行うかを先に決めてください。「返ってくるはず」と思っている側と「返さないもの」と思っている側が、当日に初めて食い違うのがいちばんまずい形です。

決め方に正解はありませんが、結納を行う土地の式に合わせるのがいちばん角が立ちません。それでも決まらなければ、両家の親に直接話してもらってください。二人が板挟みになる必要はありません。

料亭の個室で、長いテーブルを挟んで向かい合う両家の家族。和装と礼装が混ざり、会席料理と飲み物が並んでいる。畳と障子、掛け軸のある落ち着いた室内。人物は後ろ姿と横向きで顔ははっきり写っていない
両家が一か所に集まるのが略式結納です。いま「結納をする」といえば、たいていこの形になります。

いくらかかるのか

  • 結納金:100万円前後。男性側が用意するのが基本ですが、最近は折半する形もあります
  • 結納品:5万円から15万円
  • 結納式そのもの:会場費と食事を含めて5万円から20万円

結納品は9品・7品・5品と奇数でそろえるのが本来の形です。ただし簡略化が進んでいて、3品ほどにまとめることも増えました。寿留女(するめ)や子生婦(こんぶ)といった縁起物が入ります。

結納金は「渡して終わり」ではありません。多くの場合、新生活の準備や花嫁側の支度に使われます。結婚式そのものの費用をどう分担するかは結婚式の費用は誰が出す?にまとめました。

顔合わせなら平均6万円

比べる相手を出しておきます。顔合わせ食事会の費用は平均6万円ほどで、4万円から8万円に収まる例が多くなっています。内訳は食事代と飲み物代、個室料です。

結納金を別にしても、結納品と結納式で10万円から35万円かかります。顔合わせの6万円と比べると、桁がひとつ違うわけではないものの、はっきり差が出ます。

この差が、顔合わせが選ばれている理由のひとつです。ただし金額だけで決める話ではありません。親が儀式として望んでいるなら、そこは費用の問題として片づかない部分です。

誰が何を手配するか

結納は式次第が決まっているぶん、準備する項目もはっきりしています。順番はこうです。

  • 日取りと会場を決める:両家の都合を聞いて、二人が中心になってまとめます
  • 進行役を決める:仲人を立てないなら、男性側の父親が務めるのが一般的です。父親がいない場合は母親か本人が代わります
  • 役割を割り振る:結納品を運ぶのは、両家それぞれの母親が務めるのが通例です
  • 結納品と目録を用意する:結納品専門店やデパートの結納品売り場で買えます
  • 結納返しを決める:関東式なら、同時に交換する形が増えています

会場代を誰が持つか

慣習としては、女性側の自宅で行うなら女性側が持ち、自宅以外なら折半という形が多くなっています。ただし決まりではありません。

顔合わせの場合は少し違って、二人が負担して両家を招く形が今は一般的です。かつては両家折半が多かったので、親の世代とは感覚がずれている可能性があります。

どちらの場合も、支払う人を先に決めて全員に伝えておいてください。会計の場で両家が同時に申し出ると、その場で気まずくなります。

いつやるか

目安は結婚式の3か月前から6か月前です。式場を決めたあと、招待客を固める前のあたりになります。

日にちを決めるとき、親が六輝を気にすることがあります。大安や友引を選ぶ慣習ですが、最優先は両家の都合です。こだわりがあるかどうかは先に聞いておくと、あとで組み直さずに済みます。六輝の考え方そのものは結婚式の日取りはどう決める?で整理しています。

結納をするなら、その場が両家が初めて揃う場になります。ここで日取りや招待範囲の話が出るので、二人のなかで方針を決めてから臨んでください。招待範囲の考え方は結婚式はどこまで呼ぶ?に、準備全体の順番は式場決定後の流れにあります。

しないと決めたときの進め方

74.2%が選んでいる道です。ただし黙って省略しないでください。

親に先に相談する

結納は二人のためのものというより、家と家のあいだの儀式です。だから親が「やるものだ」と考えている場合があります。二人で決めてから伝えると、決定の押しつけになります。

伝え方としては、「顔合わせの食事会という形にしようと思うのだけれど、どう思う?」と相談の形で切り出すのが無難です。相手の親の意向も、自分の親から聞いてもらうほうが角が立ちません。

気になるなら形だけ残す

結納をしないけれど何もないのは寂しい、という場合は、顔合わせのなかに一部だけ取り入れる形があります。

  • 婚約記念品の交換だけ行う:婚約指輪と、そのお返しの品をその場で披露します
  • 婚約記念品の目録だけ用意する:結納品は省いて、目録の形式だけ残します
  • 結納金だけ渡す:儀式は省いて、支度金として渡す形にします

この3つはどれも実際に選ばれています。「やる」と「やらない」の2択ではありません

レストランの個室で、白いクロスの丸テーブルを囲む両家の家族。セミフォーマルの服装で、洋食のコースとグラスが並んでいる。結納品は置かれていない。窓の外は緑。人物は後ろ姿と横向きで顔ははっきり写っていない
顔合わせは食事をしながら話すだけです。平均6万円ほどで、結納とは費用の差も大きくなります。

よくある質問

Q. 結納と顔合わせを両方やることはありますか?

あります。ただし結納のあとに会食が入るので、実質的には結納の日にまとめられます。別々の日に2回集まるのは、両家が遠い場合には負担になります。

Q. 仲人は立てるべきですか?

略式結納なら不要です。いま仲人を立てるのは少数で、両家だけで進める形が一般的になっています。立てる場合は、依頼と謝礼が別に必要になります。

Q. 結納金は必ず100万円ですか?

決まった額があるわけではありません。100万円前後が目安として挙げられますが、キリのよい数字にするという考え方から選ばれている面があります。金額は両家で話して決めて構いません。

Q. 授かり婚でも結納はしますか?

体調と時期を優先してください。結納も顔合わせも、無理な日程で組む必要はありません。妊娠の報告と順番の整理は授かり婚の妊娠報告にまとめています。

Q. 何を着ていけばいいですか?

正式結納なら正礼装です。新婦は振袖、母親は黒留袖か色留袖、父親は紋付羽織袴かモーニング。略式結納なら準礼装で、男性はブラックスーツ、女性は黒以外のフォーマルなワンピースか訪問着になります。詳しくは両家顔合わせの服装をご覧ください。

まとめ

  • 結納は26.5%、顔合わせは74.2%。主流は顔合わせだが、結納も4組に1組は行っている
  • 年齢別では若い層と40歳以上で高く、「若いからやらない」ではない
  • いま「結納をする」といえば略式結納。仲人は立てないのが一般的
  • 関東式は結納返しあり、関西式は基本なし。両家の出身地が違うなら先に決める
  • しないなら、二人で決めてから伝えるのではなく親に相談する形で切り出す
  • 「やる」と「やらない」の2択ではない。婚約記念品の交換だけ残す形もある

顔合わせの形で進めるなら、両家顔合わせの服装両家顔合わせの手土産から準備してください。