料理の単価を決めるとき、「1人1万5,000円で足りるだろうか」と迷います。判断の材料になるのは、ゲストが払う3万円の中身です。
結論から書きます。ゲスト1人あたりの料理と飲み物は平均1万9,800円でした。一方、友人から受け取るご祝儀は平均2万9,000円です。包んでもらったお金のおよそ7割が、その人自身の食事代にあたる計算になります。
数字はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025(トレンド編)から引きました。

結婚式の料理と飲み物、1人あたりの相場は1万9,800円
内訳はこうなっています。
- 一人当たりの料理代:平均1万5,400円
- 一人当たりの飲み物代:平均5,100円
- 一人当たりの料理と飲み物を合わせた額:平均1万9,800円
ここで引っかかった方がいるかもしれません。1万5,400円と5,100円を足すと2万500円で、1万9,800円になりません。3つは別々の設問で、答えた人の数もそれぞれ違うからです。合計を見たいときは足し算ではなく、1万9,800円のほうを使ってください。
母数は「国内で披露宴・ウエディングパーティーまたは結婚を機とした食事会を実施した人のうち、金額を答えた人」です。披露宴ではなく食事会だけを行った人も入っています。
ほかで見た数字と合わないとき
「もっと高い金額で書いてあった」という記憶があるかもしれません。よく引用されているのはゼクシィ結婚トレンド調査のほうで、その2024年版(首都圏)だとこうなります。
- 一人当たりの料理費用(飲み物を除く):平均1万7,600円
- 一人当たりの料理と飲み物の合計:平均2万3,000円
どちらかが間違っているわけではありません。違うのは、誰に聞いたかです。
- 地域:ゼクシィ結婚トレンド調査2024では、料理の単価は全国の概要報告書に載っておらず、地域版の報告書にしかありません。上の数字は首都圏のものです
- 対象:ゼクシィは披露宴を行った人。結婚マーケット調査は食事会だけの人も含みます
- 年:ゼクシィ結婚トレンド調査は2024年版が最後で、2025年調査から結婚マーケット調査に統合されました
地域も対象も違うので、差の理由をひとつに決めることはできません。ただ首都圏の数字のほうが高いことは、覚えておいて損がありません。数字を見かけたら、調査名と年、そして全国か地域かの3つを確かめてください。
友人のご祝儀は平均2万9,000円、8割が3万円台
同じ調査には、間柄ごとの一人あたりのご祝儀額もあります。
- 親族:平均4万8,000円
- 勤務先の上司:平均4万2,000円
- 勤務先の同僚:平均3万円
- 友人(勤務先以外):平均2万9,000円
友人の分布を見ると、3万円以上4万円未満が80.1%を占めます。2万円未満は7.4%、2万円台は8.3%でした。「友人なら3万円」という相場は、実測でもそのとおりでした。
友人が包んだ2万9,000円のうち、およそ1万9,800円はその人の飲食代です。残りは9,000円ほどで、そこから引き出物が出ます。ギフトの総額は平均14万7,000円、用意数は平均47.1人分でした(この2つも回答者が違うので、割り算はできません)。
正直に書いておくと、飲食代とご祝儀は別々の設問で回答者も違うため、きれいに引き算できる数字ではありません。それでも、桁と割合の感覚をつかむには十分です。
ご祝儀の相場そのものは結婚式のご祝儀はいくら包む?に、引き出物の決め方は結婚式の引き出物の選び方にまとめています。
人数で変わる費目は、たった2つ
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。同じ報告書は結婚式の費目を、「招待客人数によって変動しない費目」と「変動する費目」の2つに分けています。この分け方は報告書に書かれているもので、こちらで当てはめたわけではありません。
変動しない側に並んでいるのは、次のような費目です(金額はそれぞれの平均)。
- パックプランの費用:148万9,000円
- 挙式料:67万6,000円
- 司会費用:19万1,000円
- ビデオ撮影:16万円、スナップ撮影:14万7,000円
- 妻側の衣裳:14万1,000円、会場装花:7万4,000円
- そのほか、ブーケ、ブライダルエステ、夫側の衣裳、映像を使った演出、親へのギフト、ウエルカムアイテム、二次会会場
変動する側は、たった2つです。
- 料理と飲み物:57万6,000円
- ギフト:14万7,000円
ゲストを1人増やして増えるのは、料理と飲み物、そしてギフトだけです。裏を返せば、1人減らして浮くのもその2つだけということになります。
これは少人数結婚式・家族婚の費用相場で書いた「人数を減らしても1人あたりの負担は下がらない」という現象の正体です。会場も挙式料も撮影も、10人でも80人でも同じだけかかります。削れる場所が2つしかないから、割り算の分母だけが小さくなるわけです。
ひとつ補足します。この二分はあくまで大づかみなものです。たとえば会場装花は変動しない側に入っていますが、実際にはゲストテーブルの卓数の分だけ積み上がります。この点は結婚式の会場装花はいくらかかる?で詳しく書きました。人数にほぼ比例するのが料理と飲み物・ギフトの2つ、部分的に比例するものが少しある、と読むのが実態に近いはずです。
料理と飲み物の総額は平均57万6,000円、でも過半数は50万円未満
料理と飲み物の総額がいくらだったかも見ておきます。
- 50万円未満:55.0%
- 50万円以上100万円未満:18.6%
- 100万円以上150万円未満:16.8%
- 150万円以上は、合わせて9.7%
平均は57万6,000円ですが、いちばん多いのは50万円未満で、しかも過半数です。一部の高額な式に平均が引っ張られているので、平均より低い見積もりでも足りていないとは限りません。
コース料理が54.1%、4割は試食をしていない
単価の話に入る前に、そもそもどんな形で出しているのかも見ておきます。

- コース料理:54.1%
- 着席ビュッフェ:28.3%
- 立食ビュッフェ:16.6%
半数はコース料理ですが、ビュッフェが合わせて4割を超えています。1人あたりの単価を比べるときは、この形式もそろえないと数字の意味が変わってしまいます。
もうひとつ、気になる数字があります。試食をした人は61.0%で、39.0%はしていません。4割近くが、味を確かめないまま決めていました。
単価を下げる判断をするつもりなら、試食は先に済ませてください。金額だけを見て決めると、何を削ったのかが当日までわかりません。
単価を決めるときに見るところ
1万5,400円という数字は、上げ下げの基準ではなく出発点として使ってください。そのうえで見るのは次の3つです。

飲み物が別か、込みか
料理だけの見積もりに、あとから5,000円前後の飲み物代が乗ります。1人あたりで見ると3割以上の差になるので、見積もりを比べるときは同じ条件にそろえてください。
人数が固まる前の見積もりかどうか
料理は変動費なので、人数が動けばここも動きます。結婚式の見積もりはなぜ上がる?で扱った「あとから上がる費目」の代表がこれです。仮の人数で出された総額は、そのまま信じないでください。
同じ単価でも中身は違う
単価は、品数と食材のランクの組み合わせで決まります。前菜からデザートまでの皿数を増やすのか、皿数はそのままで肉や魚のランクを上げるのか。同じ金額でも中身はまったく変わります。
この配分は式場によって考え方が違うので、金額だけを並べても比較になりません。見積もりを取るときは、単価とあわせてコースの構成表をもらってください。
削る順番
料理はゲスト全員が口にします。品数や食材を落とすと、その場で直接わかります。装花やケーキにも削りどころはありますが、気づかれずに下げられる幅がそもそも違います。ウェディングケーキの選び方と結婚式の会場装花はいくらかかる?に、気づかれにくい削り方をそれぞれまとめました。
あわせて、アレルギーや子どもの食事など人数では測れない配慮もあります。伝えかたはWeb招待状の返信マナーのほうで、ゲスト側の書き方として整理しています。
単価を上げずに印象を変える
同じ調査には、料理に関して実施した演出のデータもあります。上位はこうでした。
- シェフがゲストに料理の説明をする:22.1%
- 二人や家族の思い入れのある食材・料理を取り入れる:21.6%
- 季節や出身地にちなんだ食材を使う:19.8%
- 自分たちにちなんだドリンクを入れる:14.4%
- ソムリエが各テーブルを回る:13.6%
並べてみると、料理そのもののランクを上げなくても検討できるものが上位に来ています。説明を入れてもらう、食材をひとつ差し替える、といった範囲です。ただし会場によっては有料の演出もあるので、金額は打ち合わせで確認してください。
ゲストから見た食事代とご祝儀
ここまでは新郎新婦の話ですが、同じ数字はゲストの立場でも使えます。
会費制の式なら、会費はほぼ飲食代と重なります。会費制の結婚式・1.5次会で書いたとおり、会費制でご祝儀を上乗せしなくていいのはこのためです。
少人数の式に招かれたときも同じです。人数が少ないほど1人あたりにかかる金額は上がるので、同じ3万円でも重みが変わります。結婚式をしない選択で見たように、そもそも式をしない人がいちばん多いという前提も含めて、金額の意味は一律ではありません。
まとめ
- ゲスト1人あたりの料理と飲み物は平均1万9,800円(料理1万5,400円、飲み物5,100円。別々の設問なので足し算はできません)
- 友人のご祝儀は平均2万9,000円で、80.1%が3万円台。およそ7割が本人の飲食代にあたります
- 人数で変動する費目は料理と飲み物、ギフトの2つだけ。ほかは人数が変わっても動きません
- 料理と飲み物の総額は平均57万6,000円だが、過半数は50万円未満
- 数字はリクルートブライダル総研 結婚マーケット調査2025(トレンド編)