ご祝儀袋を用意して、新札を入れて、ふくさで包んで、受付で渡す。この手順をまるごと省ける仕組みが「オンラインご祝儀」です。招待状にリンクを載せ、ゲストがカードや電子マネーで送る形になります。
では、どれくらい使われているのか。数字を調べると2.5%、8.5%、59.5%と、まったく違う値が並びます。リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】から、実際にご祝儀制で式を挙げた516人の結果を見たうえで、ほかの数字との違いも整理します。

オンラインご祝儀の実施率は8.5%|認知は58.2%
ご祝儀制で披露宴や食事会を実施した516人に、5つの選択肢から1つ選んでもらった結果です。
上の3つが「知っていた人」で、合計58.2%。下の2つが「知らなかった人」で41.8%です(報告書の端数処理のため、内訳の合計とは0.1ポイントずれます)。
認知は6割近いのに、実際に取り入れたのは8.5%。知っていた人のなかで見ても、取り入れたのは7人に1人です。
知らなかった人も、知れば使うわけではない
この調査が丁寧なのは、知らなかった人に「知っていたらどうしたか」まで聞いているところです。
- 知っていたら取り入れるか検討したかった:3.7%
- 知っていても検討しなかった(取り入れる意向はなかった):38.2%
知らなかった41.8%のうち、知っていても使わなかったと答えた人が38.2%。つまり認知を上げても、普及はほとんど動かないということです。「まだ知られていないだけ」という説明は、この数字では成り立ちません。

会費制なら13.8%|ご祝儀制の1.6倍
同じ調査に、会費制で実施した192人への「オンライン会費」の設問もあります。並べると、はっきり差が出ます。
- 知っていた:ご祝儀制58.2%/会費制67.6%
- 検討したが取り入れなかった:ご祝儀制15.1%/会費制30.2%
- 実際に取り入れた:ご祝儀制8.5%/会費制13.8%
実施率は1.6倍、検討した人は2倍です。会費制の5区分も並べておきます。
- 知っていたが、検討しなかった:23.6%
- 検討したが、取り入れなかった:30.2%
- 実際に取り入れた:13.8%
- 知らなかった|知っていたら検討したかった:2.3%
- 知らなかった|知っていても検討しなかった:30.0%
「検討した人」で見ると差がもっと開きます。検討したが取り入れなかった人と、実際に取り入れた人を足すと、ご祝儀制23.6%に対して会費制44.0%。1.9倍です。
逆に「知っていたが検討しなかった」はご祝儀制34.6%、会費制23.6%。ご祝儀制では、知っていても検討の土俵に乗らない人のほうが多いということになります。
会費制は金額が全員同じで、あらかじめ決まっています。だからオンライン決済とかみ合う。ご祝儀は人によって金額が違い、袋に入れて手渡すという形式そのものに意味があるぶん、置き換えにくい。同じキャッシュレスでも、向き不向きがはっきり分かれています。
会費制そのものの費用構造は会費制の結婚式・1.5次会にまとめました。会費制を選んだ人の73.0%は自己負担がゼロです。
「0%」「2.5%」「59.5%」との違いは、誰に聞いたか
冒頭で触れた、まったく違う数字を並べます。どれも間違いではありません。聞いた相手が違うだけです。
- この記事の8.5%:2024年4月から2025年3月にご祝儀制で式を挙げた516人のうち、取り入れた割合
- 2.5%と0%:楽婚の花嫁サロンが2024年2月に10代から60代以上の男女200人に聞いた調査。「ゲストとして利用したことがある」2.5%、「新郎新婦側として利用したことがある」は0%
- 59.5%:トキハナが2025年3月に令和に結婚式へ列席経験のある20代から40代329人に聞いた調査。「現金以外で渡すことに賛成」の割合
200人の一般男女に聞けば、新郎新婦として使った人は0人になります。そもそも直近で式を挙げた人がほとんど含まれないからです。式を挙げた516人に絞れば8.5%。分母が違えば、0%にも8.5%にもなります。
59.5%はさらに別の話で、賛成かどうかを聞いた数字です。賛成と、実際に使うことは別。この記事の数字でいえば、賛成しそうな層も含めて、取り入れたのは8.5%ということになります。
なお楽婚の調査では「このアンケートで初めて知った」が65%、「ご祝儀は式場で渡すほうが良い」が59%でした。認知の低さと、手渡しへの支持は、こちらの調査とも向きが合っています。
25歳から29歳は、認知がいちばん高いのに実施は最低
年齢別を開くと、ねじれが出ます。左が「知っていた」、右が「実際に取り入れた」です。
- 24歳以下:61.9%/13.4%(28人)
- 25歳から29歳:66.0%/4.7%(118人)
- 30歳から34歳:59.6%/5.7%(124人)
- 35歳から39歳:64.2%/13.4%(106人)
- 40歳以上:44.9%/9.4%(139人)
25歳から29歳は認知66.0%でいちばん高いのに、取り入れたのは4.7%でいちばん低い。逆に40歳以上は認知44.9%と最も低いのに、9.4%が取り入れています。
知っているかどうかと、使うかどうかは別の話だということが、ここにも出ています。ただし24歳以下は28人しか答えていません。幅を持って見てください。
キャッシュレスを取り入れるかどうかの判断
- 現金の受付は残す前提で考える。取り入れた人でも8.5%です。ゲストの側が知らない可能性のほうが高い
- 会費制なら検討する価値がある。金額が一律なので仕組みとかみ合い、実施率も1.6倍です
- 手数料と入金時期を先に確認する。当日現金が手元に入らない形になるので、支払いの段取りが変わります
- 年配のゲストが多いなら慎重に。40歳以上は認知44.9%で、半数以上が知りません
そもそもご祝儀がいくら集まるのかはご祝儀は結局いくら集まる?に、包む側の相場は結婚式のご祝儀はいくら包む?にまとめました。ゲストの23.9%は結婚式に出た経験がないという前提は結婚式に出たことがない人が23.9%にあります。
ご祝儀袋そのものの選び方と書き方はご祝儀袋の書き方と選び方、招待状をWebにするかどうかは結婚式の招待状はWebと紙どっち?で扱っています。

まとめ
- ご祝儀制で式を挙げた516人のうち、オンラインご祝儀を取り入れたのは8.5%。認知は58.2%
- 知らなかった人の大半(38.2%)は「知っていても検討しなかった」。認知を上げても普及は動かない
- 会費制なら13.8%でご祝儀制の1.6倍。金額が一律だと仕組みとかみ合う
- 出回っている0%・2.5%・59.5%は、聞いた相手と設問が違う。分母を見ないと並べられない
- 25歳から29歳は認知66.0%で最高、実施4.7%で最低。知っていることと使うことは別
出典はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】です。オンラインご祝儀はご祝儀制で実施した516人、オンライン会費は会費制で実施した192人が対象で、いずれも単一回答。年齢別の人数は24歳以下28人、25歳から29歳118人、30歳から34歳124人、35歳から39歳106人、40歳以上139人です。比較に用いた2つの調査は本文中に実施主体・実施年・回答者数を記載しています。合算・比率・年月への換算など、報告書にそのまま載っていない数値は当サイトによる計算です。