エンドロールは披露宴のいちばん最後に流れる映像です。ゲストが見る最後の演出なので、ここで印象が決まる面があります。
迷うのは決まって「撮って出しにするかどうか」です。当日撮った映像をその場で編集して流す形で、事前に作るものと比べて値段が倍以上になることもあります。
この記事では、2種類の違いと費用の目安、名前の並べ方、持ち込むときに確認することまでを整理します。値段の差がどこから来ているのかが分かれば、どちらを選ぶかは決めやすくなります。
エンドロールは2種類。分かれ目は当日撮るかどうか
- 事前制作:写真やメッセージを使って、式の前に完成させておくものです。当日の映像は入りません
- 撮って出し:当日の様子をその場で撮影し、披露宴の最中に編集して、最後に流すものです
撮って出しは、数時間前に起きたことがそのまま映像になります。ゲストは自分が映っているのを見ることになるので、驚きが大きいのが特徴です。
費用の相場|撮って出しが高いのは「どこまで撮るか」で決まる
撮って出しの見積もりを見て高いと感じたら、編集範囲がどこまでかを確認してください。金額はここでほぼ決まります。
- 挙式のダイジェストまで:5万円から10万円。事前制作とあまり変わりません
- お色直し入場後まで:10万円から20万円
- 披露宴の終盤まで:20万円以上
終盤まで入れようとすると、撮影が終わってから上映までの時間がほとんどありません。そのぶん人手が要ります。カメラマン2名と編集担当1名の3名体制で入る業者もあれば、1名で撮影と編集を兼ねるところもあり、この差がそのまま金額に出ます。見積もりを比べるときは何名で入るのかも聞いてください。
依頼先でも変わる
- 式場の提携業者:撮って出しは20万円前後。事前制作なら5万円から10万円が目安です
- 外部の制作会社:撮って出しで10万円前後、事前制作で5万円前後
- 自作:0円から1万円程度。事前制作なら現実的な選択肢です
外注のほうが安く見えますが、持ち込み料が別にかかる会場があります。差額より持ち込み料が高ければ意味がないので、比べる前に会場へ聞いてください。持ち込み自体を断る会場もあります。

どちらを選ぶか
撮って出しが向いている場合
- ゲストに驚いてもらいたい、当日の空気を残したいと考えている
- 挙式に参列していないゲストがいて、挙式の様子を見せたい
- 予算に余裕があり、映像にお金をかける優先度が高い
事前制作が向いている場合
- 予算を抑えたい。ここは削って料理や装花に回したい
- 内容をじっくり作り込みたい。当日の編集では時間の制約があります
- 当日に何かあったときのリスクを避けたい
事前制作なら自作もできます。写真を並べて名前を入れるだけなら難しくありません。プロフィールムービーのコメント例文と同じ作り方で進められます。ただし後述する持ち込みの条件は必ず確認してください。
POINT:撮って出しは当日の天候や進行に左右されます。挙式が屋外で雨だった、進行が押して撮影時間が削られたといったことが起きます。仕上がりを完全に決めておきたい人には向きません。逆に言えば、その日にしか撮れないものが入るのが価値です。
そもそもエンドロールはいらない?
ここまで2種類の話をしてきましたが、入れないという選択もあります。実際、費用を削るときに真っ先に候補へ挙がる項目です。
実施する人のほうが多数派で、7割から8割が取り入れているとする解説もあります。ただ必須の演出ではありません。なくても披露宴は問題なく終わります。
なしにするなら、終わり方を決めておく
エンドロールを入れない場合、何が最後の見せ場になるかを先に決めておくと締まります。多いのは次の3つです。
- 花嫁の手紙と花束贈呈:ここが感情の山になるので、その流れのまま退場します。花嫁の手紙の書き方にまとめています
- 退場の演出:曲と照明で盛り上げて終わります。BGMの選び方は結婚式のBGM・曲選びで解説しています
- お見送りで一人ずつ話す:映像で伝える代わりに、直接ひと言かける形です
あとから聞く後悔は「見返すものが残らなかった」というものです。これは記録映像だけ頼んで上映しないという形でも解決できます。当日流さないぶん編集の締め切りがないので、費用も抑えられます。
ゲストの名前をどう並べるか
エンドロールで手が止まるのはここです。名前は全員分を載せることが多く、順番と表記で悩みます。
順番は席次表と同じ考え方
基本は高砂に近い席の人から遠い人へという並びです。席次表と同じ考え方なので、席次が決まっていればそのまま使えます。
よく使われるのは主賓、職場関係、友人、親族、家族という流れです。家族を最後に置くと、締めくくりとして収まりがよくなります。席次の決め方は席次表は必要?で解説しています。
もうひとつ、その前に決めることがあります。新郎側のゲストを先に、新婦側を後にという並びです。これが決まってから、それぞれの中を上の順番で並べていきます。
同じ立場の中はどう並べるか
いちばん手が止まるのがここです。職場の同僚が5人いたら、その5人をどの順で並べるのか。立場ごとに考え方が違います。
- 職場関係:役職の高い順に並べます。ここは分かりやすい基準があります
- 友人:出会った時期の新しい順に並べるのが一般的です。逆にすると学生時代の友人が先に来ます
- 親族:年齢の高い順に並べます
- 同じ立場で差がつけられないとき:五十音順にします。迷ったらこれで構いません
厳密に正しい順番があるわけではありません。ただ基準を決めずに並べると、あとから直したくなります。先に基準を決めて、それに沿って機械的に並べるほうが早く終わります。
敬称は原則「様」
- ゲスト全員:「様」を付けます
- 子どものゲスト:「くん」「ちゃん」のほうが自然です
- 学校の先生、医師:「先生」とするのが一般的です
- 自分の家族:既婚の兄弟姉妹には敬称を付け、未婚なら付けないのが一般的です。両家でそろえてください

誤字は二人で必ず確認する
名前の間違いは、その人にだけ確実に伝わります。しかも直せません。旧字体はとくに要注意です。「斉藤」と「齋藤」、「渡辺」と「渡邊」のような違いは、招待状の宛名を書いたときの表記と突き合わせて確認してください。
POINT:確認は新郎新婦それぞれが自分の側のゲストを見ると精度が上がります。相手側のゲストは名前になじみがないので、間違いに気づけません。読み合わせをするなら、一文字ずつ声に出すのが確実です。
名前に添えるメッセージ
名前だけを流す形でも成立しますが、ひと言添えると受け取り方が変わります。入れる場所は3か所です。
- 冒頭:来てくれたことへのお礼を書きます。「本日はお越しいただきありがとうございました」で足ります
- 名前の横:ゲスト一人ずつ、あるいはグループごとに添えます
- 締め:これからのことを書きます。「二人で力を合わせて歩んでいきます」といった形です
1人あたり2行まで
個別メッセージは2行程度に収めます。読む時間が限られているためです。人数が多いのに長い文を付けると、流れる速度が上がって誰も読めなくなります。
全員分を書ききれないなら、グループごとにまとめるか、思い切って名前だけにするほうが親切です。中途半端に一部の人にだけ長い文が付くと、差が目につきます。
書かないほうがいいこと
- 次の結婚をうながす言葉:「次は〇〇の番だね」といったものです。本人の状況は分かりません
- 内輪でしか通じない話:会場では家族や職場の人も同じ画面を見ています
- 誰にでも当てはまる言葉:全員に同じ文を付けるなら、いっそ名前だけのほうがすっきりします
- 忌み言葉:慶事なので「別れる」「切れる」などは避けます。一覧は花嫁の手紙の書き方にまとめています
最後に、名前の並びのあとへ会場のスタッフへの感謝を短く入れる形もあります。当日ずっと動いてくれた人たちのことなので、入れると場が和みます。
長さは何分がいい?目安は3分から5分
エンドロールの尺は3分から5分が目安です。長くても5分に収めるほうが締まります。
これは送賓の進行と関係しています。エンドロールが流れ終わると新郎新婦が退場し、ゲストがお見送りに向かいます。ここが長いと、待つ時間が生まれます。
名前を全員分載せる場合、人数が多いほど流れる速度が上がります。読めない速さになるようなら、2列にする、あるいは表示する情報を名前だけに絞るといった調整が要ります。

自作や外注のものを持ち込むときに確認すること
自作や外注で作ったものを持ち込む場合、ここでつまずく人が多い箇所です。映像の中身より、形式のほうでひっかかります。
- 形式はDVDが基本:多くの会場はDVD-Rに、DVD-VIDEO形式で焼いたものを条件にしています。編集後のデータはそのままでは再生できないので、書き出す作業が別に要ります
- データでは受け付けないことが多い:記録メディアやクラウド経由での受け渡しを断る会場が大半です
- 文字は画面の内側に収める:会場のスクリーンは、パソコンの画面より表示できる範囲が1割から2割狭くなります。文字は端から2割ほど内側に置いてください。手元では収まって見えても、当日は名前が切れます
- 前後にブランク画面を入れる:冒頭と最後に5秒から10秒の黒い画面を入れます。無いと最初の数秒が再生されなかったり、終わったあとにメニュー画面がスクリーンに映ります。必要な長さは会場によって違うので聞いてください
- 提出期限を先に聞く:当日持ち込みは避けてください。再生できなかったときに打つ手がありません
- 試写をさせてもらう:会場の機材で実際に再生して確認できるかを聞いておきます
準備全体の流れは式場決定後の流れにまとめています。
BGMには著作権の手続きが要る
エンドロールに市販の曲を使う場合、複製権の手続きが必要です。映像に音楽を入れる行為がコピーにあたるためです。
制作を業者に頼むなら業者が申請しますが、自作する場合は自分で段取りする必要があります。使いたい曲が使えるかどうかで作り直しになることもあるので、曲は構成を決める前に確認してください。詳しい手続きは結婚式のBGM・曲選びで解説しています。
よくある質問
Q. 事前制作でも当日の写真は入れられますか?
入れられません。事前に完成させるものなので、当日の映像や写真は使えません。当日の様子を入れたいなら撮って出しになります。前撮りの写真を使えば当日に近い雰囲気は出せるので、前撮りを予定しているならその素材を回すという手はあります。予算を削りたいだけなら、ほかのお金がかかりにくい演出と比べて優先度を決めてください。
Q. ゲストの名前は全員載せないといけませんか?
いいえ。名前を出さず、写真と映像だけで構成する形もあります。人数が多くて流れる速度が上がってしまう場合は、こちらのほうが見やすくなります。
Q. 撮って出しを頼むと、当日カメラマンが増えますか?
増えることが多いです。撮影しながら並行して編集するため、撮影担当と編集担当が別に必要になります。会場の控室や作業スペースを使うので、その手配も式場側で必要になります。
Q. いつまでに決めればいいですか?
撮って出しは当日の人員手配が絡むので早めです。式の2か月から3か月前には決めておくと安心です。事前制作を外注する場合も、写真を集めて作る時間が要るので同じくらいの時期から動きます。
Q. 途中で流れなかったらどうなりますか?
会場側で対応してもらうことになります。だからこそ試写と提出期限が大事です。持ち込む場合は、予備をもう1枚用意しておくと安心できます。
まとめ
- エンドロールは事前制作と撮って出しの2種類。分かれ目は当日撮るかどうか
- 撮って出しの金額はどこまで編集するかで決まる。挙式まで5万〜10万円、終盤まで入れると20万円以上
- 式場の提携業者より外部の制作会社のほうが安いが、持ち込み料を先に確認する
- 名前は席次表と同じ順。主賓、職場、友人、親族、家族の流れが基本
- 敬称は原則「様」。旧字体の誤字は自分側のゲストを自分で確認する
- 個別メッセージは2行まで。書ききれないならグループごとか名前だけにする
- 尺は3分から5分。長いと送賓の待ち時間が生まれる
- 持ち込みはDVDが基本。文字は画面の内側に収め、前後にブランク画面を入れる
- 市販の曲を使うなら複製権の手続きが要る。曲は構成を決める前に確認する
- 入れない選択もある。その場合は最後の見せ場を先に決めておく