ウェルカムスペースの費用を調べると、「平均5万円から10万円」という数字によく行き当たります。ただ、一次データを見ると景色がまったく違いました。
そもそも44.6%は用意していません。そして用意した人でも、51.3%は0円でした。
数字はリクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025(トレンド編)です。調査での項目名は「ウエルカムアイテム」で、ウェルカムスペースに置くもの全般を指します。

ウェルカムスペースは必要?44.6%は用意していない
まず有無からです。国内で披露宴や食事会を行った692人に聞いた結果です。
- 用意した:55.4%
- 用意しなかった:44.6%
半々に近い分かれ方です。「必ず要るもの」ではありません。ゲストが開場まで待つ場所は会場が用意しますし、受付も会場の設備です。そこに何を飾るかは任意だということが、この数字からわかります。
費用は0円が51.3%。平均1万8,000円の中身
用意した人のうち、金額を答えた207人の内訳です。
- 0円(費用はかかっていない):51.3%
- 5千円未満6.2%、5千円以上1万円未満4.1%、1万円台7.8%
- 2万円台7.8%、3万円台8.6%、4万円台0.1%
- 5万円以上:14.0%
- 平均:1万8,000円
平均1万8,000円という数字は、0円の51.3%と5万円以上の14.0%という両極に挟まれてできたものです。「だいたい2万円くらいかかる」という読み方は当たりません。
「5万円から10万円」はどこから来た数字か
検索で上位に出てくる記事を実際に読んで確かめました。
- 「平均で5万円から10万円程度」と書いている記事:出典の記載がありませんでした。必須アイテムとしてウェルカムボード、ウェルカムドール、写真立て、イニシャルオブジェを挙げています
- 先輩花嫁の実例を集めている記事:ウェルカムスペース1,500円未満、受付スペース3,300円、フォトブース10,800円。こちらは調査の分布に近い金額です
一次データでは5万円以上は14.0%です。「5万円から10万円」は、いちばん上の層の話ということになります。
もうひとつ気づいたことがあります。読んだ記事はどれも「用意しない」という選択肢に触れていませんでした。準備することを前提に、何を買うかの話から始まります。44.6%が用意していないという事実は、そこには出てきません。
当日アイテムの中で、いちばん省かれている
同じ調査は、同じ692人にほかの当日アイテムについても聞いています。「用意しなかった」と答えた割合を並べます。
- ウエルカムアイテム:44.6%
- 招待状:26.9%
- ペーパーアイテム(席札・席次表・メニュー表など):21.5%
- ギフト(引き出物・引菓子・プチギフトなど):14.5%
設問の形式は少し違います。ウエルカムアイテムだけが単一回答で、ほかの3つは複数回答です。ただし母数はいずれも同じ692人なので、並べて見る意味はあります。
ウェルカムスペースが飛び抜けて省かれています。理由ははっきりしていて、ゲストが受け取るものではないからです。
- 引き出物は持ち帰るもの
- 席札は座る場所を示すもの
- 招待状は出欠を確認するもの
- ウェルカムスペースは、見るだけのもの
役割を持っているものは省けません。ウェルカムスペースだけが、なくても式が回ります。44.6%という数字は、そこから来ています。
ちなみにペーパーアイテムの内訳は、席札56.7%、紙の席次表44.3%、メニュー表43.9%、Web席次表19.6%、プロフィールパンフレット15.3%でした。席次表そのものの要否は結婚式の席次表は必要?に、招待状の紙とWebの使い分けは結婚式の招待状はWebと紙どっち?にまとめています。
0円で用意する方法|手作りと会場の備品
半数が0円ということは、買わずに用意しているということです。手作りと、会場にあるものの活用。節約というよりそもそも買っていないという状態です。ただし調査に0円の内訳はありませんので、ここからは一般的なやり方の整理になります。

- 会場の備品を借りる:イーゼル、テーブル、装飾用の小物を貸してくれる会場は多くあります
- すでに持っているものを置く:二人の写真、旅行先で買ったもの、思い出の品
- ウェルカムボードを手作りする:データを用意してネットプリントに出せば、数百円から千円台で済みます
- 会場装花を流用する:披露宴で使う装花を移してもらえるか聞いてみてください
最後の装花の流用は、結婚式の会場装花はいくらかかる?で扱った「同じ花を2度使う」という考え方と同じです。頼めるかどうかは会場によるので、打ち合わせで聞くのが早いです。
決めるのは最後でいい
準備の順番でいうと、ウェルカムスペースは最後に回して構いません。会場も料理も衣装も、ここが決まっていなくても進みます。逆に、ほかが決まらないと置くものも決まりません。
ただし持ち込みができるかどうかだけは、早めに聞いておいてください。ここが分からないと、手作りにするか会場に頼むかを決められません。
0円のつもりが崩れるとき
自分で作る、買って持ち込む。どちらも0円や数百円で済みそうに見えますが、会場によっては持ち込み料がかかります。ここを確かめないまま進めると、当日になって金額が動きます。
この構造は結婚式のプチギフトや結婚式の引き出物は持ち込みと式場注文どっちがお得?で扱ったものと同じです。本体の値段より、持ち込みの扱いで総額が変わります。
打ち合わせで聞いておきたいのは次の4つです。
- 持ち込み料はかかるか:ウェルカムボードは対象外という会場もあれば、点数で決めている会場もあります
- イーゼルや台は借りられるか:借りられるなら買う必要がありません
- 飾りつけは誰がやるか:スタッフに任せられるのか、自分たちで並べるのか
- 前日に搬入できるか:当日持ち込みだと、朝の支度と重なります
この4つが決まれば、0円のままいけるかどうかが先に分かります。
「必須アイテム」は誰が決めたのか
先ほどの「5万円から10万円」と書いていた記事は、必須アイテムとしてウェルカムボード、ウェルカムドール、写真立て、イニシャルオブジェの4つを挙げていました。
ここは正直に書いておきます。調査にウエルカムアイテムの内訳はありません。何を置いた人が多いのかというデータは公表されていないので、この4つが必須かどうかは、数字からは言えません。
言えるのは、用意した人の51.3%が0円だったということだけです。4つそろえて0円になる可能性は高くありません。「必須」と書かれているものと、実際に置かれているものは別だと考えるほうが、この数字とは整合します。
年齢が上がるほど、金額は上がる
年齢別の平均額を並べると、きれいな形が出ます。
- 24歳以下:6,000円
- 25歳から29歳:1万1,000円
- 30歳から34歳:1万6,000円
- 35歳から39歳:1万9,000円
- 40歳以上:2万7,000円
年齢が上がるほど単調に上がります。いちばん下といちばん上で4倍以上の差です。婚約指輪は必要?や結納はするべき?では年齢と実施率が直線になりませんでしたが、ここは素直な形をしています。
ただし24歳以下は8人と極端に少ない層なので、その1点だけは幅を持って見てください。
ウェルカムボードにお金をかけるかどうか
5万円以上をかけている人が14.0%いるのも事実です。かける人はかけています。判断の材料を3つ置いておきます。

ゲストが見る時間は短い
ウェルカムスペースにゲストがいるのは、受付を済ませてから開場までのあいだです。挙式に出た人はさらに短くなります。かけた金額と、見られている時間は比例しません。
写真に残るかどうか
それでもウェルカムボードは写真に残ります。ゲストが撮ってくれることもあります。時間で判断するなら削る側ですが、あとに残るものにお金をかけたいなら別の答えになります。ここは好みの問題です。
削る順番の中での位置
費用を抑えたいなら、ゲスト全員が確実に受け取るものは後回しにするのが原則です。結婚式の料理の相場で書いたとおり、料理は全員が口にします。それに比べるとウェルカムスペースは削っても気づかれにくい部類です。ウェディングケーキの選び方や結婚式のプチギフトと並べて順番を決めてください。
「必要かどうか」から考えるなら、結婚式の席次表は必要?も同じ形の記事です。当たり前とされているものを、一度分布で見直すという点で共通しています。
まとめ
- ウエルカムアイテムを用意しなかった人は44.6%。必ず要るものではありません
- 用意した人でも、51.3%は0円。5万円以上は14.0%です
- 平均1万8,000円は両極に挟まれた数字で、目標にする金額ではありません
- よく見る「5万円から10万円」は出典の記載がなく、一次データでは上位14.0%にあたります
- 年齢が上がるほど金額は上がり、24歳以下6,000円から40歳以上2万7,000円まで4倍以上の差があります
- 数字はリクルートブライダル総研 結婚マーケット調査2025(トレンド編)