結婚式の準備は花嫁の美容やドレス選びに注目が集まりがちですが、新郎の装いも二人の門出を彩る大切な要素です。
「タキシードって何を基準に選べばいいの?」「レンタルと購入どっちがお得?」「身だしなみは何から始めればいい?」など、悩むポイントは意外とたくさんあります。
この記事では、新郎の礼装の種類、タキシードの色・体型別の選び方・小物、髪型のポイント、レンタルと購入の違い、結婚式までの身だしなみスケジュールまで、花婿の準備に必要なポイントをまとめて解説します。
新郎の礼装の種類|タキシード・モーニング・ディレクターズスーツ
新郎の礼装には格式の違いによっていくつかの種類があります。まずは代表的な礼装の位置づけを知っておくと、式場やプランナーとの相談がスムーズになります。
正礼装・準礼装・略礼装という格の考え方は、ゲストの服装にも、両親の装いにもそのまま当てはまります。招待状に「平服で」と書く側の判断材料にもなるので、平服と言われたときの服装マナーもあわせてご覧ください。
- モーニングコート:昼の正礼装。グレーを基調にした上品な装いで、格式の高い挙式にふさわしい
- 燕尾服:夜の正礼装。テールコートとも呼ばれ、最も格式の高い装いとされる
- ディレクターズスーツ:昼の準礼装。モーニングよりもややカジュアルで、二次会や昼間の会食にも使いやすい
- タキシード:本来は夜の準礼装だが、日本では洋装文化の歴史的な経緯もあり、時間帯を問わず新郎の正装として広く定着している
POINT:本来のマナーでは時間帯によって格式が分かれますが、日本の結婚式では時間帯にかかわらずタキシードを選ぶ新郎が多数派です。デザインの選択肢が豊富で、どんな体型・身長の方にも合わせやすいことが理由のひとつとされています。会場や新婦のドレスとの相性を重視して選んで問題ありません。
タキシードはレンタルと購入どちらがいい?
新郎の衣装はレンタルが定番です。主な選択肢は式場提携のレンタル、外部レンタルショップ、購入の3つ。それぞれ費用感が異なるため、予算と相談しながら決めましょう。
- 式場提携・店舗レンタル:10万円〜12万円程度が目安。試着や小物一式のコーディネートを任せやすい
- 外部レンタルショップ・ネットレンタル:3万円〜5万円程度が目安。格安ショップでは小物込みで1万円台〜3万円台のプランもある
- 購入:本体のみで5万円〜10万円程度が目安。フルオーダーやシャツ・小物一式を揃える場合はさらに高くなる
ここまでの金額は、お店が出している目安です。実際にいくら払われているのかは次の章にまとめました。なお式場提携レンタルは小物一式込みの金額であることが多いため、外部レンタルや購入と比べるときは、シャツ・靴・小物を含めた形にそろえてください。

購入の場合、結婚式後にサイズ直しをして普段使いのスーツにリメイクできるサービスを用意しているお店もあります。二次会や親族の結婚式など、今後もフォーマルウェアを着る機会が多い方は購入も検討する価値があります。
新郎の衣装費用の相場|実測では1着目が平均10万円
ここからは調査の数字です。リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025【トレンド編】に、新郎の衣装1着目にかかった費用を金額で答えた129人の結果が載っています。
- 10万円未満:52.0%
- 10万円以上20万円未満:40.0%
- 20万円以上:8.0%
- 平均:10万円
9割以上が20万円未満に収まっています。上に並べたレンタル・購入の目安と、大きくずれてはいません。
そして2着目は、はっきり下がります。2着目の平均は6万9,000円(48人)。1着目より3万円ほど安い。新郎の2着目には、1着目ほどお金がかけられていません。
新婦と並べると、開きがはっきりします。ウェディングドレスは何着着る?のとおり、妻側の1着目は平均20万4,000円(145人)、2着目も18万8,000円(89人)でした。
「新郎衣装は17万円前後」という相場との関係
ネットで見かける新郎衣装の平均額は、これよりも高い金額です。ただし単位が違います。
- タキシードの販売店は「約18万5,000円」としています(ゼクシィ結婚トレンド調査2024を根拠として引用)
- ジュエリーブランドが運営するメディアは「レンタル8万3,000円・購入8万7,000円」としています(ただし自社調査で、調査時期は2018年7月)
この記事の10万円は1着あたり、18万5,000円は新郎の衣装にかかった合計と読むと、数字はぶつかりません。新郎の平均着用数は2.0着なので、1着目10万円+2着目6万9,000円で16万9,000円。合計で見ればほぼ同じところに着地します。
比べるときは「1着あたりなのか、合計なのか」を先に確かめてください。ここを取り違えると、組んだ予算が倍ずれます。

年齢が上がるほど、1着で終える
同じ調査の年齢別です(817人)。左が「1着だけ」の割合、右が平均の着用数です。
- 24歳以下:35.8%/平均2.7着(57人)
- 25歳から29歳:43.8%/平均2.2着(192人)
- 30歳から34歳:46.8%/平均2.0着(194人)
- 35歳から39歳:44.7%/平均2.1着(148人)
- 40歳以上:59.6%/平均1.8着(226人)
40歳以上は6割が1着で終えています。24歳以下とは24ポイント近い差です。着替える前提で予算を組むかどうかは、ここで変わります。
1着で終える判断の前に、こちらも見ておいてください。結婚式をやってよかったことのとおり、「特別な衣裳を着る/着せることができた」は挙式で得たことの同率1位で77.0%です。着せる側も含めた数字で、そう思わないは5.7%しかありませんでした。
タキシードの色で選ぶ
タキシードの色は「ブラック」「グレー」「ネイビー」の3色が定番です。それぞれ雰囲気が異なるため、会場の格式や新婦のドレスとのバランスを見ながら選びましょう。
なお新郎は半数が1着です。ウェディングドレスは何着着る?によると、夫側の着用数は1着が48.5%で平均2.0着でした。新婦だけ着替えて新郎はそのまま、という形は珍しくありません。
- ブラック:最も伝統的でフォーマルな色。格式のある会場やホテル婚との相性がよい
- グレー:黒よりも柔らかい印象になり、白いウェディングドレスにもなじみやすい。シャツやベストで遊びを取り入れやすいのも魅力
- ネイビー:清潔感がありつつ華やかな印象。ガーデンウェディングやレストランウェディングなど、少しカジュアルな会場にも合わせやすい
カジュアルな雰囲気の結婚式にしたい場合は、黒やネイビーよりも明るいカラーを選ぶ新郎も増えています。ドレスの選び方と合わせて考えると、会場タイプに合った色の方向性がつかみやすくなります。
体型に合わせたタキシードの選び方
タキシードは色やデザインだけでなく、体型に合わせたシルエット選びも仕上がりを大きく左右します。試着の際は、次のポイントを意識してみましょう。
- 小柄・細身の方:明るめのカラーや光沢感のある素材を選ぶと、身体をひとまわり大きく見せやすくなる。細身すぎるシルエットは避け、程よくゆとりのあるものを選ぶと自然な印象になる。適度な横幅のある「フロックコート」や、脚を長く見せる「ロングタキシード」を選択肢に入れるのもひとつの方法
- がっちり型・恰幅のある方:ストライプ柄のパンツを合わせると縦のラインが強調され、すっきりした印象になる。サイズを大きめにしすぎると不自然なシワの原因になるため、ジャストサイズを意識する
- 高身長・低身長の方:既製品のレンタルではサイズが合いにくいことがあるため、オーダーメイドや採寸対応が丁寧な店舗を検討すると安心
POINT:試着の際は、普段のビジネススーツよりも「ジャストサイズ」を意識すると、全体のシルエットが引き締まって見えます。肩幅・袖丈・パンツの丈が体に合っているか、実際に座る・腕を上げるなどの動作もして確認しておきましょう。
小物で選ぶ|シャツ・ネクタイ・ポケットチーフ・靴
タキシードの印象は、本体の色だけでなく小物の組み合わせで決まります。基本となる小物と選び方のポイントを押さえておきましょう。
- シャツ:フォーマル用の「ウィングカラーシャツ」が定番。襟の形が正装らしい印象を作る
- ネクタイ:無難にまとめたいならレギュラータイ、正統派の華やかさを出したいなら蝶ネクタイがおすすめ
- ポケットチーフ:蝶ネクタイや新婦のカラードレスと色を合わせると統一感が出る。折り方で印象も変えられる
- グローブ・サスペンダー・カフリンクス:必須ではないが、こだわりたい方はプラスすると華やかさが増す
POINT:蝶ネクタイとポケットチーフだけを新婦のドレスやブーケの色とリンクさせる「リンクコーデ」は、タキシード全体を華美にしすぎずに二人のコーディネートに統一感を出せる方法として人気です。花嫁のヘアアクセサリーや小物の色味と合わせて考えるのもおすすめです。
式場提携のレンタルは小物込みのことが多いので、必要になるのは外部レンタルや購入で衣装だけを用意する場合です。小物をそろえるといくらかかるかの目安にもなります。以下は楽天市場の商品リンクです。
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シャツ付き・首回り37〜47cm
ウィングカラーシャツと小物のセット記事で定番として挙げたウィングカラーシャツに、カフスボタン・ポケットチーフ・サスペンダー・アームバンドまで付いたセットです。首回りは37センチから47センチまであり、ゆき丈も選べます。カフスはタキシードの色に合わせて白と黒から選べ、チーフはお父様のモーニング用の畳み方も選択できます。
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小物7点・シャツは別
新郎の小物7点セットチーフ・サスペンダー・アームバンド・カフス・手袋・黒と白の靴下がひとそろいになっています。シャツとネクタイだけ自分で選べば足りる組み合わせです。靴下は25センチと27センチから選びます。
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髪型で選ぶ|顔型・衣装に合うスタイル
意外と見落とされがちですが、髪型もタキシード姿の印象を左右する大切な要素です。顔型や衣装との相性を意識してスタイリングを考えてみましょう。
- 顔型に合わせる:こめかみ周りに動きを出すと、丸顔・面長どちらの顔型にも似合わせやすくなる。前髪を下ろすと柔らかい印象に、センター分けにすると縦のラインが強調されすっきりした大人の印象になる
- 衣装に合わせる:タキシードや燕尾服などフォーマルな衣装には、額を出したオールバックやアップバングが格式ある雰囲気によく合う。ゆるいウェーブパーマもタキシードとの相性がよい
- 髪の長さに合わせる:ショートヘアはスタイリングがしやすく、清潔感が出やすいため人気が高い。ロング・セミロングの場合は、丁寧にまとめたり顔まわりの髪を結んだりすると、爽やかで清潔感のある印象になる
前撮りを予定している場合は、当日の髪型もあわせてイメージしておくと、撮影時のスタイリングもスムーズです。
結婚式までの新郎の身だしなみスケジュール
新郎の身だしなみ準備は、花嫁の美容ほど本格的に語られる機会が少ないものの、当日の写真映えや清潔感に直結します。花嫁美容のスケジュールと同じように、早めから計画的に進めておくと安心です。
半年〜1年前|スキンケアの習慣化
洗顔・保湿・日焼け止めを日常的なケアとして取り入れておくと、当日の肌の仕上がりに差が出ます。特別なエステでなくても、毎日の基本ケアを継続することが土台になります。
1〜3ヶ月前|眉毛・ヘアスタイルの調整
眉毛サロンで理想の形に整えてもらうと、写真写りがはっきり良くなります。髪型も当日に近い時期に美容室でカットやカラーを相談しておくと、直前で慌てずに済みます。
直前期|最終調整
ハンド・ネイルケアや、ひげ剃り・シェービングなど当日の身だしなみに直結する部分は、式の直前にも改めて確認しておきましょう。ダイエットに取り組む新郎も一定数いますが、無理のないペースで進めることが大切です。
新郎の衣装は、相手と相談されにくい
同じ調査に、衣装を決めるときの関わり方を聞いた設問があります(817人、複数回答)。
- 自分の衣装について、二人で相談しあった:61.0%
- 相手の衣装について、二人で相談しあった:29.0%
- 相手の試着に付き添った・試着会に参加した:21.1%
自分の衣装は話し合うのに、相手の衣装はその半分以下しか話し合われていません。回答者は男女どちらも含むので「新郎の衣装が」と言い切れる数字ではありませんが、相手の衣装が話題になりにくいという形ははっきり出ています。

新婦のドレスは何度も試着して決めるのに、新郎のタキシードは当日の並びを見ないまま決めてしまうことがあります。写真には二人で写ります。色の組み合わせだけでも、一度は並べて確かめておいてください。新婦が和装を入れるなら、花嫁の和装に合わせて紋付袴を用意するかどうかも、同じタイミングで決まります。
これは衣装だけの話ではありません。結婚式の準備、どこまで二人で決めている?で会場・料理・ゲスト・演出も並べたところ、「二人で相談しあった」はどれも6割前後でした。その中で、相手の衣装の29.0%だけがはっきり落ちます。準備全体でいちばん抜けやすいのがここということになります。
タキシード選びで失敗しないための注意点
- 試着は本番に近い姿勢(座る・歩く・腕を上げる)で動きやすさを確認する
- 新婦のドレスの色・素材・テイストと並べて確認し、二人の雰囲気が合っているかチェックする
- 会場の照明(自然光か、暖色系の照明か)によって色の見え方が変わるため、可能であれば会場の写真や実例も参考にする
- お色直しで衣装チェンジをする場合は、1着目・2着目のテイストのバランスも考えておく
式場が決まった後の準備の流れの中で、タキシード選びのタイミングも早めに組み込んでおくと、直前になって慌てることがありません。
花婿の身だしなみに関するよくある質問
タキシードは新婦のドレスと合わせて選ぶべきですか?
必須ではありませんが、色味やテイストを合わせると写真映えがよくなり、二人の統一感も出しやすくなります。事前にドレスの色や素材感を共有しておくとスムーズです。
レンタルと購入、結局どちらがお得ですか?
一度きりであれば費用を抑えやすいレンタルが選ばれる傾向にあります。一方で、今後も別の結婚式や式典で着用する機会が想定される場合は、購入してリメイクサービスなどを活用する方がトータルで経済的になることもあります。
身だしなみの準備はいつから始めればいいですか?
スキンケアなど土台になる部分は半年〜1年前から、眉毛やヘアスタイルの調整は1〜3ヶ月前を目安に始める新郎が多いです。花嫁の準備スケジュールと同じタイミングで計画すると管理しやすくなります。
タキシード以外の礼装も検討すべきですか?
格式の高いホテル婚や神前式など、会場や挙式スタイルによってはモーニングコートやディレクターズスーツが似合うケースもあります。式場のプランナーに会場との相性を相談してみるとよいでしょう。
まとめ|新郎の装いも二人らしさを表現するポイント
新郎の装いは、花嫁のドレスほど選択肢の情報が出回っていない分、後回しにされがちです。しかし色・小物・身だしなみを計画的に整えることで、当日の写真や印象は大きく変わります。
- 礼装の種類を知り、会場の格式に合うものを選ぶ
- レンタルか購入かは、着用機会と予算で判断する
- 色と小物は新婦のドレスとのバランスを見ながら決める
- 体型・顔型に合ったシルエットや髪型を選ぶと、写真の印象がより良くなる
- 身だしなみは半年〜1年前からのスキンケアなど、早めの土台作りが大切
二人で一緒に衣装合わせに行き、それぞれの装いを見比べながら決めていくと、準備そのものも楽しい時間になります。指輪も新郎が身につけるものなので、結婚指輪の選び方もあわせて見ておくと決めやすくなります。